ワンコのトイレでお悩みのあなたへ〜第8章〜
2008 / 08 / 07 ( Thu ) 無理だ、あたしゃエドはるみにはとてもなれない、というシャイな飼い主さんの場合にも、じつはできることはある。
誉めるときだけ犬に話しかけるようにすれば良いのだ。犬を誉めるのが下手な人というのは、じつは犬を叱るのもすごく下手だ。はっきり言えば、誉めてるのか叱ってるのか、その境目が曖昧なのだ。その人が何を言っているのか、言葉を理解できる人間でさえ、相手が喜んでいるのか怒っているのか迷うのだ。ましてや、話している内容のわからない犬にとっては混乱するのはとうぜんだ。 巧く犬を叱れないのなら、最初から一言も口をきかないほうがまだマシだ。じっさい、怒鳴りつけなくとも、犬は怒った表情を見ただけで、叱られていることは一目で理解する。 トイレトレーニングでつまずく多くの飼い主さんは、たいてい、犬が失敗したときに犬を叱るという過ちを犯す。その場所でするのはいけないことだ、と教えることは良いのだが、犬を怒鳴るという行為が、犬の目から見た場合、誉められているのと大きな差がない場合、犬を混乱させることになるし、もっと悪いことに、どこでもいつでも垂れ流しという悪癖を増長させる原因を作ってしまう。その件は、また後日ゆっくり説明するが、とにかく、こういった失敗を避けるためにも、犬が失敗したときには、無視して黙ってすばやく片づけることが最良の方法だ。 トイレの失敗をしたときに、叱ってはいけないと言うと、ぜったいに叱ってはいけないのかと思うだろうが、タイミングによっては、犬を叱ることも必要だと管理人は思っている。具体的に言えば、目の前で、ワンコがトイレ以外の場所で排泄しようとしゃがんだとき、ブツが出てくる前ならば、Noと一言低い声で言って、驚いた犬が躊躇した瞬間、トイレの場所まで連れて行って、その場でちゃんと排泄させて誉めてやることができる。まちがった場所でしようとしたので叱るという行為と、正しい場所でしたから誉めるという行為が巧くセットになっていれば、ここでしたらいけないけれど、あそこでするのは良いことだと教えることができるので、これは効果的なのだ。 だが、ブツが出始めてしまったら、その時点ではもう手遅れだ。そこでやるべきことは、黙って片づけの準備をするだけだ。とくにパピーは出始めたものを途中で止めるなんて芸当はできないし、一滴でも出たら、それはもう失敗なのだ。失敗してしまったらしかたがない、そこでギャンスク喚いたりすると、犬は人間の目の前で排泄することはいけないことだと誤解してしまうかもしれないし、誉めることと叱ることの境が曖昧な飼い主だと、逆に誉められていると勘違いしてしまうケースも出てきてしまう。 じっさい、トイレの場所が覚えられない馬鹿犬というレッテルを貼られたワンコのなかには、じつは飼い主の叱り方が下手だったために、飼い主を困らせるためにわざわざ別の所でお粗相をする「あてション」や、飼い主に注目して欲しいがためにわざわざ失敗する「見てション」の癖がついているコが非常に多くいる。こういう悪癖は、すべて飼い主がわざわざ犬に教え込んでしまうものだ。 だから、トイレの躾をする際に一番大切なのは、じつは飼い主のリアクションなのだ。 |
ワンコのトイレでお悩みのあなたへ〜第7章〜
2008 / 08 / 03 ( Sun ) 「ワンコが正しい場所でしたら、良く誉めてあげましょう。それを繰りかえすと、ワンコはトイレの場所を覚えます」
この文章にもう一つ含まれている、良く陥りやすい落とし穴は「誉める」という行為のやり方である。 躾が巧くいかないと悩んでいる人の多くは、じつは端から見ると犬を誉めるのがすごく下手なのだ。犬の目から見ると褒められているのか叱られているのか、わからないことが多い。たとえば顔の表情。無表情でただ「Good」と言われても、最初、犬は誉められているとは思わない。とくにトイレトレーニングというのは、ワンコが家に来た最初にする訓練であることを考えると、犬に対する表現はわかりやすいに越したことはない。 一般的に犬がわかりやすい誉め上手の飼い主は、エドはるみのような人間である。派手にオーバーアクションで、顔の表情も豊かで、これなら会ったばかりの犬でも、相手が喜んでいることはすぐわかる。 逆に犬にとってわかりにくい飼い主というのは、ちびまる子ちゃんに出てくるみぎわさんのような人物だ。長くつきあえば、あっ、いま怒ってる、いま喜んでるとわかるようにはなるだろうが、出会ったばかりのワンコにとって、無表情でぼそぼそと話す人間というのはとてもわかりにくい。 いくら飼い主が誉めているつもりでも、犬にそれが伝わらなければ、じつは何の意味もないのだ。 管理人の友人で、人に対しては恐ろしく愛想の悪いやつがいる。管理人はもう長いつきあいなので、相手がいかに不機嫌そうな顔をしていても、それが彼にとっては初期設定なのを知っているためべつに気に留めもしないのだが、初めて会った人には十中八九「怖い人」という印象を持たれるタイプの人間だ。ところが、こいつの犬に対する態度が、まったく人に対するものとはちがうのだ。 ふだんはぼそぼそと不明瞭な話し方しかしないくせに、犬に対しては、はっきりと、明るい声で指示を出す。誉めてやるときも、ちゃんとニコニコ笑いながら嬉しそうに誉めるので、犬は彼の指示に大喜びで従うのだ。 アンタ、その犬に対する態度の1/10でも人間に向けてみれば、少しは人にも好かれるんじゃない?(-。-) ぼそっ 犬はこっちが何を言っているのか、話の内容まではわからない。だから彼らは顔の表情や声のトーンで飼い主の機嫌を推し量ろうとする。だから、犬を誉めてやる前に誉められていると犬に伝えることができなければ、じつは何の意味もないのだよ。 自分の行動や声のトーン、それに表情なんてものは、じっさいには自分ではよくわからないものだ。経験豊富な訓練士さんに見てもらうという方法もあるが、一番手っ取り早いのは、自分が犬と一緒にいるところを動画で撮って見てみることだ。犬を誉めるときの表情、声の出し方、タイミングを第三者の目で見てみると、落とし穴にはまっている自分の姿がはっきりと見えてくる。 犬を飼ったら、飼い主は常にエドはるみになるべきだ。むろん、何も知らない他人から見れば、単なるうるさいオバサンだが、大切な愛犬をよいコに育てるためなら、他人の目など気にしてる場合じゃない。とくに室内でのトイレトレーニングの際には、人目を気にせず思いきり派手に喜んでやるべきだ。いま、飼い主が喜んでいるということを犬がちゃんと認識できるようになれば、トイレトレーニングのみならず、その後の犬との生活も数段楽なものになる。 |
ワンコのトイレでお悩みのあなたへ〜第6章〜
2008 / 08 / 01 ( Fri ) 「ワンコが正しい場所でしたら、良く誉めてあげましょう。それを繰りかえすと、ワンコはトイレの場所を覚えます」
こんな、いっけん誰にでもできそうな、簡単に見えるトレーニングなのに、なぜ多くの飼い主がつまずくのか? それは、この短い一文のなかに、長く犬を飼っている人には常識だが、素人にはまったく理解できない隠された意味が含まれているからだ。 この文面を、素直にそのまま受けとれば、飼い主がすべきことはただじっと、ひたすら犬が正しい行いをする瞬間を待って、その瞬間が来たら、褒めてやるということを繰りかえせと書いてあるような気がする。 だが、じつはそれじゃダメなのだ。というより、それでも巧くいく場合はあるが、そんな運任せみたいなことをしていたら、時間がかかってしかたがない。それよりも、積極的に成功させる環境作りをしてやるのだ。これ、長年犬を飼ってる人には常識ね。だが、初めて犬を飼う人にとっては、意外に盲点なのだ。 攻撃は、じつは最大の防御である。 犬が成功する瞬間を待ってるだけじゃ、もしかすると逆に失敗してしまうかもしれない。トイレトレーニングの最初の時点では、成功と失敗の確率は最高に良くても50:50からのスタートだ。つまり、待ってるだけじゃ50%の確率で、失敗する可能性もあるわけだ。そこで積極的に成功する環境作りをしてやることで、成功の確率が失敗する確率より高くなるように持っていかねばならない。 犬が排泄したくなる時間を見計らって、ぜったいに排泄せずにはいられない状況を作ってやって、その瞬間に巧くトイレに誘導する。とくにパピーの頃はまだ、犬は排泄のコントロールが巧くできないので、これで成功させられる確率は非常に高くなる。 具体的には、たとえば昼寝から起きたとき。人間も同じだが、起き抜けというのは一番尿意をもよおす瞬間だ。その時に、一口でも水を飲ませれば、嫌でも犬はトイレに行きたくなる。ほんの数粒、フードを与えるのも良いだろう。腸が動けばうんPシッコがしたくなるのは動物共通の生理現象だ。 そういう状況を作っておいて、すかさず定位置に連れて行けば、嫌でも犬はその場で排泄せずにはいられない。そこで褒めてやるという行動を繰りかえせば、起きる→トイレに行く→褒めてもらえて嬉しいという公式を犬に刷り込むことができる。 同じように食後もトイレタイムとしては適切な時間だ。食餌を終えたらまずトイレ、という習慣をつけてやれば、パピーならば驚くほど早くトイレの位置を固定できる。成犬の場合でも、方法は同じなのだが、パピーとはちがって犬もおとなになるとある程度尿意便意を我慢できるようになるので、じつはトイレに連れて行ったからといって、即できるかというと、そうではないケースも多々ある。 たとえば我が家の居候のすみれさんは、朝起きたら、まず部屋を3周走りまわってからでないと朝一のシッコが出ない女だった。この場合、すみれにとっては部屋の中を走るという行為が尿意をもよおす刺激になるので、逆にいくらトイレに閉じこめても、それだけではいつまで経ってもしないのだ。 つまり、どのタイミングで、何をするとトイレに行きたくなるかは、まさに個体差で、飼い主がその特徴を把握できることが、成功のカギになる。ほら、人間だっているでしょう? 新聞読むと、どうしてもトイレに行きたくなる人とか、牛乳を飲まないとすっきり出ないとかいう人。犬もそれと一緒なのだ。何がトイレに行きたくなる刺激になるかは、個体によって変わってくる。 何が排泄を促す刺激になるか、どのくらいの頻度でどのくらいの量をするかを把握するには、犬の行動をよく観察し、できれば観察日記をつけてみるのが良いだろう。数日間の統計をとれば、嫌でもその犬の排泄の特徴が明らかになってくる。 |
ワンコのトイレでお悩みのあなたへ〜第5章〜
2008 / 07 / 27 ( Sun ) ワンコにトイレの躾をするための、目を見張るような新説が出てくるのではないかと期待して毎日読んでるのに、ぜんぜん実践的なやり方を教えてくれないじゃないか、とそろそろ苦情が来そうなので、きょうはじっさい、どうやって犬を躾けていくかの話だ。
で、犬にトイレを教える究極の方法は 「ワンコが正しい場所でしたら、良く誉めてあげましょう。それを繰りかえすと、ワンコはトイレの場所を覚えます」 である。そんなことは、どこの躾サイトにも書いてあるし、それをやっても巧くいかないからこっちは悩んでるんだろうが! といま思いきりいきり立ったそこのあなた、自分の胸に手をあてて、よ〜く考えてみて欲しいのだ。ここに書いてあることを、ほんとうに実践しましたか? それも1回や2回ではなくて、何十回も必要ならばそれこそ何百回もそれを繰りかえしたことがありますか? 管理人は繰りかえした。それもほぼ数千回やった。いまでもそれをつづけている。なにしろ姫はトイレの躾が完了するまでに丸々2年かかったのだ。その間、そしていまも、姫が正しい場所で排泄するたびに、管理人はきちんと姫を誉めつづけている。 犬にとって、人間がトイレと勝手に決めた場所でのみ排泄するという行為は、飼い主に対するサービスなのだと管理人は思う。飼い主が喜ぶから、飼い主が誉めてくれるから、決まった場所でするだけで、それがなければ、べつに犬にとっては、決められた場所で排泄するメリットなど何もない。だから、飼い主の期待通りにトイレで排泄したという行為に対して、何度でも褒美を与えてやるべきなのだ。 管理人自身も、かつてこれで1度失敗したが、ある程度トイレの場所が確定すると、そこでワンコが排泄することを人は当たり前だと思うようになる。たとえば、人間の子どもにトイレトレーニングをする際には、巧くできたときに誉めてやるのは最初のうちだけで良いのかもしれない。二十歳になった息子に対して、トイレに行って排泄したからといって誉めてやる親はいないだろうし、誉められて喜ぶ二十歳の息子もいないだろう。 だが、犬の場合はいくつになっても、トイレで排泄したという行為に対して誉めて欲しいものなのだ。たとえ、それがその犬にとっては当たり前にできる行為であっても、やはり良い行いをしたときには、良くやったといつも同じように誉めてやらねばならない。それをただひたすら続けていくということが、犬を飼うことの本質なのだと管理人は思うのだ。 良いことをしたのだということを、きちんと犬に伝えてやる。そして、その行動を、何度も何度も繰りかえす。トイレトレーニングだけではなく、これが犬の躾の基本であって、それ以外には特殊技術などは一切必要がないのだよ。 ただ、人は時として、その大切なことを忘れがちになるものだ。 |
ワンコのトイレでお悩みのあなたへ〜第4章〜
2008 / 07 / 26 ( Sat ) ワンコのトイレトレーニングをしている最中は、どこで失敗しても青筋が立たない環境を整えておくのも重要だ。人間の例で説明しよう。排泄はトイレという決まった場所でしなければならないとまだ知らない乳幼児を、オムツなしで自由に家中徘徊させたらどんなことが起こるだろうか? 近ごろではまともに子どもを育てられない妙な親もたくさんいるようだが、それでもオムツなしで乳幼児を部屋に野放しにする親はいないだろう。
ところが、トイレトレーニングのできていない犬を部屋に野放しにして、あちらこちらに糞尿をまき散らされて「うちの犬はトイレの場所も覚えられない馬鹿犬だ」と言い張る飼い主はたくさんいるのだ。 これって変だと管理人は思う。トイレトレーニング済みの成犬をもらってきたのならいざ知らず、飼っているのがもしパピーならば、失敗しないわけがないのだよ。これ、トイレトレーニングをする際には、ぜったいに忘れてはいけないことだ。 完全にトイレの場所を覚えるまでは、どんな犬でも多かれ少なかれ失敗はする。重要なのは、失敗されたときの飼い主の反応なのだ。ここで絶叫したり、犬を叩いたり、くどくど文句を言い続けたりすると、あとで説明するが、いわゆる「トイレの場所が覚えられない馬鹿犬街道」をばく進するきっかけを、飼い主が作ってしまう原因になる。 トイレトレーニングの成功のカギは、成功したときだけ誉めてやる、ということでそのためには、失敗されたときに叫ばなくても済む環境を整えておかねばならないのだ。 管理人がお薦めするのは、ビニール製のクッションシートを家中に敷き詰めることだ。ちなみにホームセンターなどに行くと、ときどき端切れのクッションシートが破格の値段で売られている。たいていは悪趣味な色だったり、サイズが妙だったりするのだが、これがインテリアの一部として活躍するのは、トイレトレーニングが完了するまでのせいぜい数ヶ月の話なので、こういうのを片っ端から買い集めてきて、巧く貼りあわせて即席の防水シートを作るのがお薦めだ。 で、クッションシートを敷くとどんなメリットがあるかというと、ビニール製の表面ならば、失敗されたことに気づかず放置してしまっても、臭いがそこに染みついて残ることはないという点だ。トイレの問題を抱えている人に話を聞くと、たいていはいつも同じ場所で失敗させている。その理由の一つはその場に前回の排泄の臭いが残っているからなのだ。とくに畳の部屋などは十中八九被害に遭う。畳、カーペット、ソファやベッドなどの布製品だと、直後にすぐ掃除しないとどうしても臭いが残ってしまう。なので、繰りかえし失敗させないためにも、ビニール製の敷物を敷いておくのはお薦めだ。 失敗されても良い環境を整えるもう一つのメリットは、飼い主の過剰反応を抑える効果があるということだ。たとえば、何十万円もしたペルシャ絨毯や、革張りのイタリア製のソファに犬が排泄したならば、誰だって嘆かずにはいられないだろう。ところが、犬がこういう失敗を犯すごとに、キンキン声で絶叫するということは、じつは犬を躾ける際にぜったいにやってはいけないことなのだ。 高い声で吠える相手を、犬は群の下位にいる弱虫の個体と自動的に認識する。 まだローンが残ってるソファに染みがついたことを嘆く飼い主の絶叫も、犬にとっては弱い犬がきゃんきゃん吠えている声にしか聞こえない。だから叫ばずに済むよう、汚されて困る物は、とりあえずその場から撤去し、撤去するには大きすぎるものには、これまたホームセンターなどで安価で買える、工事現場で使うような防水シートをかけておこう。 よく雑誌などで目にする、ショールームのようなおしゃれな部屋で子犬と戯れるなんてぇのはマスコミが創りあげた幻想でしかない。ステキな部屋で、おしゃれな犬飼い生活を送るためには、どんな高級家具や敷物がアンモニア臭くなっても笑って買い換える財力を持つか、もしくはトイレトレーニングを完成させるまでは資材置き場のような空間で我慢して暮らすかのどちらかしか選択肢はないのである。 |




