すみれの譲渡条件〜その2〜
2007 / 05 / 17 ( Thu )
☆☆☆☆すみれの家族になってみたい人、いない?☆☆☆☆

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すみれは、とにかく人間が大好きだ。老若男女問わず、どんな人にも大喜びで尻尾を振る。おそらくとても良いパピー時代を過ごしたコなのだ。それにまだ若い犬なので、お子さんと一緒に走りまわって遊べれば、すみれにとってもとても幸せな暮らしになるだろう。だから、管理人は「お子さまがいらっしゃるご家庭は不可」なんて譲渡条件はつけないが、もし「子どもが欲しがるから犬を飼いたい」なんて人がもらいに来たら、きっと(¬_¬)こんな顔で見てしまう。

犬を飼うのはあくまでも親だ。子どもが欲しくないというものを、無理矢理仲良くしなさいと犬を押しつけるよりは、むろん子どもも欲しがっているほうが良いに決まっているのだが、だからといって、親が乗り気でないものを子どもにねだられてしかたなく飼うことにしたというパターンだと、残念ながら数年後には、すみれは厄介者扱いされるか、悪くすればまた放棄犬になる。だからそういうご家庭には、やっぱりすみれは差しあげられない。なぜなら子どもは成長していくものだからだ。

すみれを仮に2歳と仮定して、この先長ければ16年間をもらわれていった先で過ごすと考えると、たとえば犬を欲しがっているという子どもがいま10歳ならば、すみれが老いて虹の橋を渡る頃には小学生が26歳の立派なおとなになっている。中学、高校と成長していくと子どもも色んなつきあいが出てくる。塾に行かなくちゃならないこともあるだろう。受験勉強もしなけりゃならない。お年頃になればデートだってしたいはずだ。大学生になったら、バイトに忙しくて家には寝に帰るだけになるかもしれない。就職したら転勤で地方生活になることもある。だが、すみれはその間ずっと家で家族の一員として暮らしていくのだ。もちろん例外はあるのだが、往々にして子どもの「犬が欲しい」熱なんて、せいぜい1年しか続かない。最初は目新しいからちやほやするが、やがて飽きて家具の一部のような扱いになる。うちの○○ちゃんはそんな子じゃありません! といきり立つ親御さんもいらっしゃるだろうが、子どもなんてしょせんそんなもんだ。じっさい管理人だってそうだった。

最初の犬Dukeが我が家にやって来たのは、管理人が大学生の時だ。よくあるパターンで、管理人と妹が「ぜったいにちゃんと世話をするから」と言って飼いはじめたのだが、けっきょく数年後には散歩が義務になっていた。その後管理人は就職して、仕事が忙しくて犬の世話どころではなくなり、Dukeが虹の橋を渡る頃には転勤で地方都市で暮らしていた。我が家は幸い親も犬好きなので「けっきょく最後はこうなるわけね」とブツブツ言いながらも両親がしっかり面倒を見て飼っていたのでまあ良かったのだが、「子どもが欲しがっているから」ほど危険な犬を飼う理由は他に見あたらないなと管理人はつくづく思う。

だからお子さんのいる家庭でも相性さえ合えば、管理人は喜んですみれをお渡しするが、それはあくまでも親御さんが心の底からすみれを欲しいと望んでくださる場合に限る。

第一子どもが欲しいからとほいほい犬を与える時点で、こう言っちゃ何だが、おそらくすみれにとっては良い飼い主にはなれないと思う。すみれは前の家で、ごり押しすればわがままが通ることを教えられてきてしまったコだ。うちに来てだいぶん良くはなっているが、要求が通らないといまでもときどき癇癪を起こして吠えたり騒いだりすることがある。すみれは現在、犬猫屋敷で我慢することを覚えている。これがまたわがままの通る家庭に行ってしまったら、ふたたび問題犬と呼ばれてしまうのではないかと管理人は心配なのだ。

どう頑張っても子どもはやはり子どもだ。餌やり、散歩、ブラッシングなどの日々の世話はできるだろうが、きちんとした躾けや家庭内のルールを犬に教えるのはおとなである親の役目だし、その責任をきちんと自覚して果たしてくださる方でないと、すみれをちゃんと飼うことはできないと思う。

すみれの譲渡条件〜その3〜に続く

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すみれの譲渡条件〜その1〜
2007 / 05 / 16 ( Wed )
☆☆☆☆すみれの家族になってみたい人、いない?☆☆☆☆

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「小さなお子さまがいらっしゃるご家庭は不可」

って、これは多くの保護団体の譲渡条件に出てくるパターンだ。ちなみに管理人は子どもがいる家庭だからといって犬を飼えないとはまったく思わないので、相性さえ合えば、たとえ乳飲み子がいるご家庭であっても喜んですみれをもらっていただく。

ただ、犬を飼うということはそれなりに時間や金がかかる贅沢な趣味だ。散歩、ブラッシング、排泄物の処理、餌やりでだけでも毎日一定時間を犬のために割かねばならない。その上医療費や餌代もかかる。すみれの場合はまだ若い犬なので、それがこれから十数年ずっと続いていくのだ。

いま現在、ただでさえ手のかかる子どもを育てながら、すみれのためにその時間が割けますか? たとえばお子さんが病気になった時、すみれの世話を手伝ってくれる人が周りにいますか? またはペットシッターなどを雇う費用を捻出できますか? いまは子育てにもお金がかかる。私立の学校に行く子も多いし、塾じたいがまるで義務教育のようになっていると聞く。今後、お子さんが成長した暁にはそうとう経済的な負担も大きくなっていくことだろう。そのとき、すみれのために最低限の費用(餌代、医療費など)を捻出することができますか?

ちなみにお金の話をしておくと、すみれにかかる費用はだいたいこんなもんだ。

餌代はいま我が家で食べさせているプレミアフードのドライだと1ヶ月に一番小さな袋(1kg前後)を2袋ちょっと消費する。高い店で買うと1kg入りのものが1500〜2000円、安い店だと1000円前後で買えることもあるので、まあ月の餌代は高くても5000円前後を想定しておけば大丈夫だろう。

それ以外におやつ代がかかる。ちなみに犬のおやつというのは「お三時だから食べましょうぉ〜」っていうふつうのおやつではなくて、躾のご褒美として使うためのものだ。また留守番の際にはコングに色んなおやつを詰めてやっていくと、すみれはそれにかぶりついておとなしく留守番してくれるので、ある意味おやつは平和な犬飼い生活の必需品だ。もちろん手作りするなど色々な工夫はこらせるが、市販の犬用おやつだけで済ませると想定すると、だいたい月に3000円くらい見ておけば、たぶんおつりがくるだろう。フードとちがって、おやつの場合(とくに乾きもの系)は賞味期限が長く設定されているものが多い。だから、犬猫屋敷方式で大袋で大量購入しておけばそれほど金はかからない。

すみれは健康な若い犬なので、当面はほとんど医者の世話になることはないだろう。ただそれでも毎年一定の医療費はかかる。最低限必要なのは法定の狂犬病予防接種の費用だ。これに毎年3500円(注射代3000円+登録費用500円)がかかる。それに、こちらは任意だが毎年ジステンバーやパルボなどの感染症の予防ワクチン(5000円〜1万円)とフィラリアの予防薬(1000円ぐらいx8ヶ月)、それにノミやダニの予防薬(1000円ぐらいx4回)が必要だ。これらの予防薬に関しては、あくまでも任意だが、管理人はきちんと予防することを強くお薦めする。単純に、万が一病気に罹ってしまった時にはこの数十倍の費用がかかってしまうからだ。むろん罹ってしまったらそれまでで、治療に費用をかけないという人もいるだろうが、金がないから犬が病気になっても見殺しにするなんて人には、申し訳ないが管理人は大事なすみれを渡せない。

というわけで、これを足すとすみれに毎年必要になる最低限の医療費は高く見積もって2万5000円前後、ただ、その他にも突発的な下痢やら怪我などで医者に駆け込むことを考えて(いまの相場だと1回獣医に行くとたいてい5000円〜1万円はかかるのがふつう)当面はすみれの医療費として年間倍の5万円程度見ておけばじゅうぶん費用としては足りるだろう。

ただ、犬も歳をとるとだんだん身体にガタが来て、医者に行く回数も増えるし、7歳を過ぎたら毎年血液検査などの予防医療に費用がかかるようになる。だから、医療費に関しては年々上がっていくと考えた方がいいだろう。ちなみに、DJが癌になった時は治療というより延命処置と痛みをとる処置、それに検査だけだったが、それでも1ヶ月に十数万円が一気に飛んでいった。じっさい、手術や治療をしていたら100万以上かかっていてもおかしくないと管理人は思う。

人間とちがって犬には保険がきかないので(いまは犬が入れる保険もあるが)いざ病気になるとほんとうに驚くほど費用がかかる。それは犬を手に入れる際に、「最悪の事態」のひとつとして覚悟しておいたほうが良い点だ。

というわけで、以上のすべてを足すと、すみれのために年間かかる最低限の費用は15万円前後になる。ただし医療費は獣医によって千差万別だし、餌だっておやつだって高いところで買ってしまえばこれよりずっとお金はかかる。むろん、譲渡する前に血液検査など必要な健康診断は終えてからお渡しするのだが、万が一今後すみれに病気やアレルギーなどの症状が出た場合には、この数倍の費用がかかることはやはり覚悟しておいたほうが良いだろう。これも、どんな人にも犬にも起こりえる「最悪の事態」のひとつだ。

その他にも、犬に金をかけようと思えばいくらだって金をかける方法はある。サプリメントやら洋服やらアクセサリーやら犬用として売っているものの数と種類と値段ときたら、じっさい犬を飼っている管理人ですらたまげてしまうほどなのだ。だが、まあこういうものに関してはあくまでもオプションだ。新しい飼い主さんがそうしたいならひな人形を買うなり純金のトイレを用意するなり好きにすれば良いことで、別に管理人は口出しするつもりはないのだが、ただひとつだけ覚えておいて欲しいのは、金の使い道をまちがえないで欲しいということだ。どんな犬でも幸せに暮らすための最低限のラインというものがある。たとえば良質の餌や丈夫で扱いやすい首輪やリードなどの犬具、それに最低限の予防医療にはやはり金は惜しまないで欲しいのだ。それは犬の健康と安全を守るための最低限の出費だからだ。逆にそれ以外のものに関しては、創意工夫を凝らせばわりと安価で済ませることはできる。たとえば、すみれのいまのお気に入りは、トイレットペーパーの芯にフードを入れて作った手作りおもちゃだ。うちのデカ犬2頭は、食餌用のお膳として宅急便の段ボールを使っている。貧乏くさいことこの上ないが、別に犬はそんなことはさして気には留めないのだ。だが、すでに老犬の域に入っているうちのコたちの定期的なドッグドッグには管理人は決して金を惜しまない。

そういえばもうひとつ、トリミングに関してだが、すみれはぜったいにトリミングに出さなくてはならない犬種ではない。毎日のブラッシングと定期的なシャンプーを欠かさなければ、素人でもじゅうぶん手入れができるタイプのコだ。小型犬だが幸い肛門線もあまり詰まらない体質のようなので、耳掃除と爪切りが自分でできる人ならトリミングに出す必要はないだろう。ただ、耳掃除は健康管理の一部として、必ずきちんとやった方が良い。すみれは我が家に来た当初耳ダニがいた。いまは治療してすっかり完治しているのだが、やはりすみれのような半垂れ耳のコには耳掃除は健康管理の一部なのだ。爪切りも耳掃除もうちでできる。ただ自信がない場合は、健康チェックも含めて一式やってくれるようなプロに頼むのも良いだろう。ちなみに費用は1回5000円〜1万円が相場だ。

お金の話がやたらと長くなってしまったが、やはり経済的な問題は犬を飼うのには避けて通れない。意外にふつうの人は知らないが、犬というのは購入費用より維持費のほうが何倍もかかるものなのだ。だからペットショップでチワワを買うのに借金しなければならないような経済状態では、しょせん犬など飼えないのだ。たとえばすみれの場合、小型犬だと運が良ければ18年くらい生きるので、いま2歳として今後16年x15万円で一生で240万円かかることになる。これは病気もせず元気で一生過ごし、うちで耳掃除やら爪切りをして、トレーニングも自分でやって、基本的にフード以外は何でも手作りでまかなった場合の算出だし、もちろん上に書いた他に食器、ケージなどのさまざまな道具が必要になる。たとえばトレーニングスクールに行ったら、1クルー5万円〜10万円の費用がかかる。何らかの事情で世話ができない一定期間、ペットシッターを頼むとしたら? いまの相場だと1回に3000円〜1万円かかることもある。旅行に行く時ペットホテルに預けるとしたら? これまた人間さまのホテルよりずっと金がかかるのだ。そういうすべての費用を計算したら、たかが犬に子どもを育てるのと変わらないくらいの費用がかかることもある。それにこれはあくまでも「最悪の事態」が起こらなかった時の話だ。じっさい、経済的な理由で犬を手放す人は決して少なくないのだ。

ともかく、すみれを家に迎え入れようと思う際には、まず最初にすみれが生きているあいだ、このコに最低限の暮らしをさせてやれるだけの経済力が自分にあるか、やはりそれは一度じっくり考えてみて欲しいと思う。とくにお子さんのいるご家庭では、子どもの養育費と犬の維持費、この両方を巧くやりくりしていけるのかがおそらくキーになるだろう。

で、肝心の子どもとすみれの関係だが、その話はまた明日……

すみれの譲渡条件〜その2〜に続く

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すみれの譲渡条件〜序文〜
2007 / 05 / 15 ( Tue )
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さて、すみれの譲渡条件だが、管理人が出す条件は

1.すみれを最後まで可愛がって大切に一緒に暮らしてくださる方。最期の瞬間は一緒にそばにいてやって、すみれが虹の橋を渡っていくのをきちんと見送ってくださる方。

2.すみれとの暮らしを、これから長ければ15〜6年のあいだ、ずっと楽しんでいってくださる方。

3.この先、すみれが生きているかぎり、細く長く犬猫屋敷の管理人と何らかのおつきあいを続けていってくださる方。

この3つだけだ。よくある保護団体が出す子どもがいる家庭不可、独り暮らし不可、同棲カップル不可、55歳以上不可てな譲渡条件は一切つけない。あっ、でも外飼いは、すみれには無理ですので。すみれはとにかく人と一緒にいればご機嫌な犬なので、逆に外で飼ったりしたら1日中ギャンギャン吠えまくってまちがいなく近所から苦情が来て問題犬と呼ばれることになりますので。

なぜ敢えてよくある、こういう人はダメという譲渡条件をつけないかと言うと、管理人の周りには小さな子どもがいてちゃんと犬を立派に飼っている人はたくさんいるし、独り暮らしの会社員でも犬を可愛がってちゃんと飼っている人も知ってるし、籍を入れていない同棲カップルでも立派に犬を飼っている人も何人も知っているからだ。だからこういう環境だから即犬を飼えないとは思わないのだ。ただ、じっさい確率論として犬を手放す人の多くが、こういった家庭環境であることは残念ながら事実だ。そういう意味では賭に出ていると言えないこともない。だが、1ヶ月弱すみれと暮らしてみて思うのは、成犬で、ある程度分別があり、性格も素直で社会性もあってとても飼いやすい犬であるすみれのようなコは、一般的にはベストの環境ではないかもしれないこういった飼い主さんであっても、相性が合えばおそらく問題なくやっていけるだろうということなのだ。

たとえば、専業主婦のいるお留守番のまったくない大家族の都内の一等地に住む裕福な家庭でも、家庭内のルールをきちんとすみれに教えて、最低限の躾をしてちゃんと飼える家でなければ、おそらくすみれは問題犬と呼ばれて毎日叱られるような生活になってしまうだろう。それよりは、ちゃんとすみれの群のリーダーになってくれる会社勤めの独身者のほうが、すみれにとっては良い飼い主になると管理人は思うのだ。

保護犬を渡す際の譲渡条件。これはほんとうに難しい。ほんらいなら、欲しいといって来てくれる人にほいほいと犬を配って済む方が楽なのだ。もらいに行けば、はいどうぞと無条件に好きなコをもらえるのなら、里親になるほうも皆さんごきげんだし、渡すほうだって、いちいち相手の身上調査の真似事をしたり、家まで届けに行かずに済むのだからよっぽど楽だ。だが、じっさいはある一定のガイドラインが必要だ。なぜなら、せっかく飼った犬を手放すという経験は、やはりとても辛い選択だし(管理人は姫を返さざるを得ないかと真剣に悩んだことがあるので、その辛さはよく判る)、新しい家に馴染んだところで、また移動させられる犬にとっても負担は大きい。合わない家庭に犬を差しあげても、けっきょくみんなが不幸になるだけなのだ。そうなると、審査なんておこがましいが、やはりもらわれていく先でこのコがトラブルの種にならないか、慎重に相性を見させてもらうのはやむを得ない。

それに、犬を欲しいと言って来てくれるすべての人が、残念ながら犬を飼える環境にはないことも事実なのだ。

たとえば、会社勤めの独り暮らしでパピーを飼うと言われたら、管理人は必死で止める。なぜならパピーというのは育てるのにとても手がかかるもので、すみれの例でも判るように、トイレの躾ひとつにしても、尿意便意をもよおす度に飼い主がそばにいてトイレでするのは良いことだと褒めてしつけてやらねばならないからだ。むろん、1日中ずっとお留守番の環境でもパピーからきちんと飼えている人はたくさんいる。だがおそらく、失敗した人はその何倍もいるはずだ。そうでなければこれだけ大量の犬が毎年「飼いきれない」と廃棄されるはずはないと管理人は思うのだ。

だから多くの保護団体は、犬を譲渡する条件の中に「お留守番の少ない家庭、単身者不可」などの項目を入れている。パピーからでもお留守番をさせて飼える犬ももちろんいるが、失敗するリスクがあまりに大きすぎるからだ。で、失敗したときどうなるか? たいていの人は「犬を手放す」という選択をする。じつは、この「ダメだったとき」の選択肢がほんらいの譲渡条件になるべきなのだ。たとえ会社勤めの単身者であっても、飼いはじめた犬がお留守番に向かないとわかったときは、転職して家でできる仕事一本でやっていくとか、独立して会社を興して仕事場に犬を連れて行くとか、フルタイムで犬の世話をしてくれる人を雇うとか、とにかく工夫をこらしてなんとか犬と暮らし続ける手段を選択する人であれば、じつは何も問題はない。そういう人なら、管理人は喜んですみれをもらってもらう。

だが、この「いざとなったときの行動」を予測するのは難しい。里親候補として応募してくる、せいぜい1回か2回会っただけの赤の他人が最悪の場合にどういう行動をとるか、適確に予想して判断できる人間などおそらく誰もいないだろう。だから譲渡する側は、どうしても慎重にならざるを得なくなる。一般人の感覚で見るとちょっと浮世離れした「理想的な飼い主像」を譲渡条件として掲げざるを得なくなる。そして「譲渡条件」に合わなかった人たちは、しかたないし、じゃあペットショップに行こうかなとなってしまうのだ。

これってほんとうに悪循環だ、と管理人は思うのだ。たぶん、お互いちょっと視点を変えて見てみるだけで、もっとちがう真実が見えてくる。

犬を保護して譲渡する側は、いつもこの「最悪の事態」を予測してそれを回避するためにベストの選択をしようと厳しい譲渡条件をつけている。なぜなら「最悪の事態」の末に路頭に迷った犬たちを嫌と言うほど見ているからだ。「最悪の事態」はどんな人にも起こりえる。それを現実として目の当たりにしているからこそ、なるべくそういう事態が起きないように入り口の時点でスクリーニングをかけようとする。

逆に譲渡を受ける側は、まさか自分に「最悪の事態」が起こるなんて考えもしない。犬をもらいに来る時点では、彼らの目の前には犬と一緒の楽しい生活というバラ色の将来しか見えていないのだ。だが、そんな夢は犬をもらった瞬間にもろくも崩れさる。こんなはずじゃなかった、聞いていないなんてことはざらにあるのだ。おしゃれなドッグカフェでお茶を飲むのを夢見ていた人は、カフェに入る前に、まず拾ってきたウン○をどこに置くかで悩むことなんて想像もしないだろう。ドッグランで他のわんちゃんと楽しく駆け回る我が子を想像していた人は、自分の飼い犬がそこにいる犬全員に喧嘩をふっかけてドッグランお出入り禁止になったらショックで立ち直れないだろう。だがね、そんな悪夢のようなできごとも含めて、じつは動物と暮らすことの一部なのだ。自称犬好き、犬と一緒の暮らしを夢見る多くの人はたぶんそんなことは考えてもみない。

犬をもらう側と渡す側、この両者の考え方のギャップが譲渡条件を巡るトラブルの原因なのだ。だが、保護活動を専門にやっている人たちは、助けなくてはならない命の数が多すぎて、ある程度機械的にスクリーニングをかけざるを得なくなる。問題が起こった時、ほんらいならその家で飼い続けてもらえるよう万全のアフターケアーをしなければならないのだが、じっさいは次から次へと新しいコが入ってきて、それもままならないのが実情だ。たとえば万が一行った先で飼いきれないとなったとき、むろんどんなボランティアさんでもそのコをまた引きとるのだが、じっさいはそのときにはすでに次のコたちが入ってきていて、そうとうの無理をせざるを得なくなる。つまりは、とにかくなるべく失敗する確率が低い家に出そうとなってしまうのだ。

管理人は里親探しを専門にやっているボランティアさんとはちがう。すみれを新しい家に送り届けたあと、すぐ次のコが入ってくる予定もないし、問題が起こったらすみれがちゃんと新しい家で暮らしていけるようになるまで微力ながらサポートすることもできるし、万が一飼えないとなれば、すみれはまた我が家で暮らしていくことも可能だ。だから、もしかするとお断りのメールを死ぬほど出さなくてはならないかもしれないが、敢えてリスクがあると思われる環境でも闇雲にダメだとは言うつもりはない。ただ、それでもいいと言われたからといって、これまた無条件にもらえるというわけではないのも判ってもらいたいのだ。

というわけで、これから一般的に里親になりたいと言ってもたいていは断られる環境で、何が問題視されるのか、そこのところを1つずつすみれのケースで説明していきますので、しつこく長くなるけれども、もしかしたらうちでもいけるかもって思った方は、しばしおつきあいくださいませねm(_ _)m

すみれの譲渡条件〜その1〜に続く……

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