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職人

ここ数日、仕事でおもしろい本を読んでいた。バイオリン職人についてのうんちくなのだが、これがバイオリンなんて本物は見たこともないような素人の管理人にも非常におもしろい内容だった。

細部にわたるあれこれは、まあ業界の話なんで管理人のようなずぶの素人には、まさにちんぷんかんぷんだったのだが、職人の心意気、というか物を作るということは何なのか、という部分が非常に興味深かったのだ。

バイオリンといえばストラディヴァリウスというのは、まあ管理人のようなクラシック音痴でも知っていることなのだが、このストラディヴァリウスのバイオリンのすごさというのが、じゃあ何がどうすごいのか? と訊かれても、それをデータで証明することはできないのである。にもかかわらず、このストラディヴァリウスのバイオリンという荒唐無稽な化け物のような名品を越えるべく、現代のバイオリン職人たちは技を磨き続けている。

職人の世界というのは、現代の文明社会とは正反対の場所に位置する世界だ。長い時間をかけて修行して技を磨き、緻密な作業を毎日コツコツ繰りかえす。そのひとつひとつは地味でつまらない工程だが、それができあがったとき、完成品を目の前にしたときに、その人にしか判らない喜びを感じることができるのだ。

犬飼いも、もしかしたら職人かもしれない。いつもの通りぶっ飛んだ発想だが、管理人はふとそんなことを思ったのだ。なぜなら、犬のトレーニングというのも、毎日の地道な作業の繰りかえしだからだ。

ハウツー本が氾濫する現代では、「あなたも1週間でストラディヴァリウスのバイオリンが作れる!」みたいな情報が山ほどある。犬の躾本によくある「3分であなたの愛犬が見違えるような名犬に!」とかいうタイプの本と同じだ。

だが、そんな本を読んでみたところで、ずぶの素人にストラディヴァリウスのバイオリンが作れるわけはない。同じように、犬を飼ったことのない人が、この手の躾本を1冊読んだだけで、飼い犬が名犬ラッシーに変身することはまずありえないのである。

理由はいたって簡単だ。いくらノウハウを学んでも、あなたがストラディヴァリエスでないかぎり、ストラディヴァリウスのバイオリンを作れるわけがないからだ。

たとえばもし、ストラディヴァリウス自身が、現存しているバイオリンを造った300年前の時代に、どうようの素材を使って、同じ場所で作るのなら、たしかに、このハウツー本のやりかたどおりにすれば、ストラディヴァリウスのバイオリンができるだろう。どうように、3分で名犬を作るハウツー本だって、あなた自身がその例題に載っている犬の飼い主で、そこに例として載っている犬に対して同じことをやったなら、確かに名犬はできるかもしれない。

だが、素材や時代や環境がちがった場合、同じことをやったとしても必ずしも同じ結果が得られるとは限らない。そこが職人の世界のおもしろいところで、世界中どこでも同じものが同じように使えるコンピューターなどの機械の世界とは絶対的にちがうところなのだ。

バイオリン職人が、まず最初にやることは、奏者の注文を聞いて、それに合った最適な素材の木を選ぶことだ。これは犬飼いも一緒だろう。なぜ犬と暮らしたいのか。犬と一緒に何がしたいのか。どういう環境で飼いたいのか。まずはそれを見極めて、それに一番合ったコを選ぶ。

次は荒削りの作業だ。大きめのノミや工具を使って、まずは木の感触を確かめ、どのように作業を進めていったらいいかを考えながら彫っていく。犬飼いの場合は、犬の反応をよく見ながら、何が一番効果的なトレーニング方法なのかを決めていく。ベイトにはおやつがいいのか、それともボールが好きなのか。強く叱りすぎてはダメなのか、おだてるくらいに褒めたほうが良いコなのか、チャレンジが好きなコなのか。

しだいに形ができてくると、工程じたいが緻密な作業に変わっていく。この部分を1/10ミリ、この角度を2度というように、少しずつ少しずつ削っていくことで、無駄な部分をそぎ落とし、完成品へと近づけていく。犬を飼うのも同じで、ある程度形になったら、そこからさまざまな調整が入っていく。オスワリは何とかできるようになったけど、まだ長時間その姿勢で待つことはできないとなったなら、少しずつトレーニングを続けて、毎日数秒ずつでも待てる時間を長くしていく。呼び返しはきくけれど、タラタラ戻ってくるコには、速攻で駆けよってくるよう、手を変え品を変えトレーニングを続けていくのだ。

なぜストラディヴァリウスは、他に類を見ない名工だったのだろうか? それは彼がたくさんの経験を積んだ知識あふれる職人だったからだ。ストラディヴァリは80歳まで生き、その人生のほとんどをバイオリン造りに費やしている。その間、多くの素材を扱い、たくさんの知識を蓄えていった。それぞれの素材に対し、何がベストかを知りつくしていた。

良い犬飼いは、引き出しをたくさん持っている犬飼いだ。それぞれの素材に合ったトレーニング方法をちゃんと見つけることができるからこそ、どんな犬でも扱える。逆に知識を持たない犬飼いは、自分の失敗を素材のせいにしてしまう。これはダメだったから、ポイと捨ててまた次へ。

だが、そんなことをやっていても、時間と金の無駄遣いだ。なぜなら「3分で名犬」に載っているような、誰がやっても名犬ラッシーになるような素材なんてそんじょそこらにいるものではないからだ。

ついでにいえば、最初から3分で名犬を作れるようなものすごい飼い主なんて、めったにいるもんじゃない。

だから、管理人のようなふつうの人は、ふつうの犬を相手に、ふつうの人なりの失敗を繰りかえしながら、少しずつ知識を蓄えていく。

もし「犬猫屋敷で姫を3分で名犬にする本」があったなら、もちろん管理人だって飛びつくさ。だが管理人しか買わないようなそんな本を出してくれる奇特な人はいないので、仕方がないから、管理人はあちらの本からここのところを、こちらのサイトからここの部分をと切り貼りして、管理人著の「犬猫屋敷で姫を名犬にする本」をせっせと書いているのである。

きょうのひと言名犬は一日にして成らず


職人たるもの、完成品の姿をイメージしながら作業を進めるべし。この集中力、理想だねぇ~

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きのうの花より団子花束を前にして恍惚の表情になっているワンスケ翁とハンナ姐さん(写真提供ワハ母
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テーマ : ♪♪成犬万歳!!
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ワンスケ&ハンナの視線

同じグリーニーズを見つめているところにご注目。
ささっているオヤツの中で、一番大きかったからね。

このグリーニーズはハンナの口に入りました。ワンスケ爺やは魚の干物。
なぜなら爺やはろくにかまずに飲んで、翌日必ず「そのまま」出てくるので。

そうか、お二方は大きさ勝負なのですね。ワンスケさんは堅いものより美味しいものが良いのか。次回はきちんと選抜したおやつを、よけいな花などなしで、もろに「おやつ束」にしてお持ちいたしますです。

あのね、魚のひものは、シタビラメですのよ。黒い奴は馬のハツでして、手でも割れるくらい柔らかいから、ワンスケ翁にお薦め。茶色っぽい棒状の品は、馬の背筋でして、噛みごたえがあるので、ハンナさんにさしあげてね。ワンスケさん、一気呑みしちゃうと危険だから。
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