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子犬の付加価値

ちょっと前にこの記事を読んで、ふと考えこんでしまった。

いつも通り、へそ曲がりオバサンの独り言なんで、まっ、適当に聞き流して欲しいのだが、この記事を読んで、一般的に愛犬家を自称している人なら「ドイツはなんて素晴らしい! ぜひ日本にもノーキルを!」てなことを言うんだろうなと、漠然と思ったのだ。じつにシンプルで、わかりやすい図式のリアクション。で、こう言っている人々が何らかの行動を起こしたとしたら、もしかしたら日本でもノーキルを実現することはできるかもしれない。なにせ、いまや子どもの数よりペット飼いが多いこの国だ。可哀想な犬猫たちを殺してはならないと全員が本気で思って騒ぎだしたら、じっさい法律だって変わるかもしれないのだよ。

でも、決してそうはならない。じつはそこがミソだと思う。

ドイツでは、病気に感染して治る見込みがない、矯正不可能な問題行動があるなどのやむにやまれぬ理由がない限り飼育放棄された犬も殺処分にはならない。そういう犬たちを保護して、新しい飼い主が見つかるまで面倒を見てやれる施設がちゃんと整っているからだ。ここまでは、日本でもそれに近い動きが出てきている。数年前に国の御触書が回ったせいで、いまは各地の動物愛護センターが殺すよりも生かす方法を模索するという方向で動いているからだ。

ところが、日本がドイツのようにならない理由はこの先にある。

単純に、生かすのは良いがその先どうするの? って話に解決策が見いだせないのが現実なのだ。可哀想だ、犬を殺すなというのは簡単だ。じっさい、いまだって殺処分を止めるという選択肢はあると思う。だが、その生かした犬たちをどうするのだ? 一生、税金で面倒見ていけというのだろうか? 毎年何万頭という犬を? 犬の平均寿命である10年から15年、行政が面倒みていくのか? 二足歩行動物だって生きるのが大変なこのご時世に?

そんなことは、現実的な解決策とはほど遠い。

大量の犬猫が殺処分される理由は、生かしておいてもその引き取り手がほとんどいないからだ。それでも10年前に比べれば、譲渡される犬猫の数は増えているが、増えているとは言っても、まだほんのスズメの涙なのだ。単純に自分の周りを見回してみればわかるだろう。周囲にいるペット飼いの何割が、買った犬猫ではなく保護動物の譲渡を受けている? そのうち、パピーやキトンではなく成犬、成猫になってからもらったという人はどれくらいいる?

ドイツだけではない。アメリカや他の欧州諸国と日本のペット事情の最大の違いは、子犬子猫が持つ根拠のない付加価値なのだと管理人は思う。ドイツ以外の欧米諸国の場合、処分数は日本ととんとんか、多い国もあるのだが、それでも成犬成猫の譲渡数だけ見れば、遙かにマシだ。少なくとも多くの国では、ペットを飼うとき、まずシェルターに行ってレスキューされたコをもらうというオプションの存在を知っている人がたくさんいる。

それに比べてこの国では、いまだ保護動物をもらうというのは、奇特な一部の人の善行か、マニアックな動物好きのおかしな趣味の域を出ない。単純に、この国でペットを飼っている人の大多数が、生まれたばかりの純血種を店やネットで買っている。

空前のペットブームと言われて、日々子犬子猫が量産され、取引され、その一方で育ってしまった四つ脚がどんどん殺処分されていく現実は、需要と供給という資本主義の原則に照らし合わせれば起こってとうぜんの現象なのだ。

だから、日本では殺処分は決してゼロになることはない。可哀想だから殺さないということはいまでもできるが、生かしたコたちをどうするかという現実を突きつけられたとき、現在ではまだ、殺すという選択肢以外は存在しない。

それを変えていかなければ、ノーキルなんてしょせんは単なるお題目、絵に描いた餅にすぎない。

犬を長年飼っていると、「ペットを飼いたいんだけど、飼いやすい犬はどれ?」と訊かれることがよくある。管理人の答はいつも同じだ。「楽に、手を掛けずに犬を飼いたいのなら、AIBOが一番お薦めよ」

里親探しに出てくる成犬のなかには、ちょっと難ありのコもじつは少なくない。単純に、それまでの飼い主がつけてしまった悪癖を取り除いてやれば良いだけの話なのだが、もともと狭き門の成犬譲渡の世界では、吠え癖、お粗相、咬み癖、散歩の引っぱりなど問題行動がある犬は、なかなか譲渡先が見つからない。なぜなら、誰もが飼いやすい、楽な犬を求めるからだ。

保護犬だとしつけが必要で大変そうだから、だったら子犬を買いましょっ♪ なぜか一般ピープルは、子犬のほうが楽で飼いやすいという結論に達する。

そして向かった先のペットショップでは、店員が、そのとき流行の犬種のパピーを「あまり手がかからない、飼いやすい犬ですよ」と客にせっせとお勧めする。パピーというだけで、手がかからないわけはないし、ましてやそれがジャックやヨーキーやダックスだったら、ほんらい飼いやすいわけはないはずだが、それでもそんな嘘を真に受けて、動くぬいぐるみだと信じてパピーを買っていく人があとを絶たない。そのうちの何割かは飼いきれないといって放棄される。手に負えなかった飼い主が、たっぷり問題行動を定着させてしまったあとで。だがすでに可愛いパピーの時代を過ぎ、なおかつ楽で飼いやすい状態からほど遠くなってしまっそんな犬たちを、もらってくれる人は少数だ。なぜなら新しいペットを探している人の多くは「楽で飼いやすいコ」をひたすら求めているからだ。

辞書の「悪循環」のページに、例文として載せたい気分(-。-) ぼそっ

楽に飼える犬が欲しい。手がかかる犬は面倒だ。しつけのいらない犬種はどれ? なんてまず最初に考える飼い主が多い時点で、ノーキルの夢は単なる夢の域を出ない。要は犬との生活の楽しみかたの問題だと管理人は思うのだ。

なぜなら、犬というのは学習能力が飛び抜けて高い動物だからだ。手を掛けて、さまざまなことを教えることでどんどん成長していくのだ。ゆえに、手がかかる犬、ちょっと面倒くさい犬、やや難ありの犬のほうがじつは一緒に暮らして楽しい犬であるはずなのだ。訓練する楽しみがあるからね。訓練するから犬なのだよ。お洋服を着せて、ただ撫でまわしているためのものが欲しいのなら、別に犬など飼う必要はない。

欧米各国で成犬譲渡がごく自然に社会に受け入れられている理由は、犬というのがもともと、訓練して使う道具だった歴史があるからだと管理人は思う。犬という動物の学習能力の高さを知っている人が多い国では、すでに育ってしまった犬であっても、引きとって、自分のパートナーにしようという考えが自然に根づく。それに対してこの国の人たちは1歳すぎたら犬は何も覚えないといまだに真剣に信じている。

うちの犬はもう3歳だから、○○させるのは無理!

犬に何かを教えられないのは、犬側の問題ではなく、教えられない飼い主側の問題なのだ。そんな現実を棚に上げて、人々は口々に叫ぶ。「ドイツは素晴らしい! 日本にもノーキルを!」

犬猫が可哀想だから殺してはいけない。命は大切にしましょうと言うだけなら簡単だ。だが、どうしたら殺さずに済むか、生かし続けることができるかという部分は決して一筋縄ではいかないのだ。法律を変えろ、罰則を強化しろ、悪徳ペットショップを撲滅しろ、無責任な飼い主に罰を! と叫んだところで、やっぱりノーキルは実現しない。

けっきょくは、この国でペットを飼っているすべての人の意識が変わらないと何も変わらないと管理人は思うのだよ。他人を責めるときは声高だが、アンタが悪いと言われると、とたんにそっぽを向くのが人間だ。でもノーキルが実現できないのはね、犬と暮らす意義についての人々の考え方に問題があるからだ。

パピーはたしかに可愛いが、その可愛さは犬の一生の1/10にも満たない短い時期だ。そのほんの半年に尋常ではない価値観を見いだすこの国の自称犬好きって変な奴らだと管理人は思うのだ。いったんうちのコになったら、グルメなスポーツ刈りのオバサンだって、気の弱い、ビビリのダンサー男だって世界一可愛いいものなのだよ。周囲から呆れられるほど溺愛してしまうものなのだ。10歳になっても犬は教えたことをちゃんと学習する。問題行動も直せるし、新しいトリックだって覚える。たっぷり愛情を注げば、新しい飼い主にちゃんとなつくし、子犬から飼っているコと何も違いはないのだよ。

だから何も犬を飼うなら子犬から飼わねばならない、というものでもない。誰もが認める愛らしさ、という点ではパピーに負けるが、成犬を引き取って飼うのもわるくないかも。手を掛けて、問題行動撲滅のために時間をかけられる分、やや難ありの成犬のほうがかえって犬を飼う楽しみが味わえるかも! そんな風に思う人が増えていけば、殺さずに済んだ犬たちの行き先もちゃんと確保できる。

誰も彼もが成犬を欲しがって、ついには譲渡用成犬が足りなくなって「チッ、仕方がないから面倒だけどパピーから飼うか(-。-) ぼそっ」と言える時代に早くなって欲しいなと管理人は思うのだ。

そういう時代がやって来たとき、初めてこの国でもノーキルが現実のものになるはずだから……

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