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ビビリ犬について考える

欧米ではビビリ犬の飼い方にノウハウが確立されていないと言ったが、実はまったくないわけではないのだ。事実、管理人も以前そんな一冊を手にとったことがある。

そこに書いてあったのは、気が遠くなるくらい時間のかかる訓練方法だった。

ビビリの犬というのは、たとえば、人間はぜんぶ好きというようなとらえ方はしない。ポン太を見ているとわかるのだが、彼はある特定の人物には心を許して甘えるが、それは、あくまでもその個人に対して警戒心を解いただけで、だからと言って次に目の前に現れた人物にへそ天するかというと、そういうものではないのである。

たとえば、ポン太は飼い主に対しては絶対の信頼を寄せているので、その飼い主の友だちだから、管理人もたぶん良い人なのだろうと彼なりに判断する。そうやって管理人に懐いたあとは、今度は管理人の家族だから、おそらくこいつらも平気だろうと考えて、妹にも心を許すようになっていく。

つまり、すべてが個別対応なのだ。ゆえに、ビビリ犬のトレーニングには気が遠くなるほどの時間がかかる。

ふつうの犬に、散歩ですれちがう犬に対してギャン吠えを止めさせようとしたならば、トレーニングのスタートは、犬を見た時に遠くでオスワリをさせるところから始まる。オスワリをさせて、吠えずにいられたら、さんざん誉めて大好きなおやつを口に入れてやる。

ところがビビリ犬の場合には、まず家の外に出ることから教えなければならないのだ。かつてポン太の飼い主は、ポン太に玄関から出ても怖いことは起こらないと教え込むために、丸々一週間玄関前にポン太と一緒に座りこみ、道行く人を眺めながら、一緒にゆで卵(←ポン太が何より好きな大好物)を食べつづけたと言っていた。

自宅では外を歩けるようになっていたお坊っちゃまも、犬猫屋敷に最初に泊まりに来た時点では、まだ他の犬たちなしで管理人とふたりきりで我が家の外に出ることはできなかった。その時点のポン太は、散歩に行くのが平気になっていたわけではなく、自分の家の周りだけは怖くない場所と認識していたに過ぎないのだ。ゆえに、ポン太が自ら勇気を出してうちの門から出ようと決心するまでの15分間、管理人は蚊に50箇所くらい刺されながら、門の前に座りこんで延々ポセを説得し続けたのだ。
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ビビリにとって、散歩はいつでも命がけ

門から出るだけでも命がけのビビリにとって、家の外で物を食べるなんてことは豚に木に登れと言うようなものだ。ゆえに躊躇なく門から出られるようになったら、今度は、すぐに庭に逃げ帰れる位置でおやつを食べることから教えなければならない。というよりその前に、まずはクレートからスタートして、部屋の中でおやつを食べる。次は別の部屋でおやつを食べる。その次は廊下で、玄関で、玄関のドアの外で、庭の真ん中で……とステップバイステップで色々な場所で何か食べても平気だということを教えていかねばならない。

前に読んだビビリ矯正の本には、こう書いてあった。

「おやつを食べられるほどリラックスした状態でなければ、トレーニングなんかできるわけがない」

これは確かに真実だと思う。そしてビビリワンコの場合には、この状態に持っていくまでに、実はそうとうの時間がかかるのだ。ビビリ犬は決して「温和しくて飼いやすい犬」ではないと管理人が思うのはそのためだ。

たとえばビビリの典型であるポン太でも、犬猫屋敷に来るとそれなりにふつうの家庭犬らしい生活はできる。自分より大きなオッサン、オバサンと一緒なら散歩に行くのもOKだし、公園の真ん中でおやつを差しだせば、喜んで食べる。だが、管理人とふたりきりで同じことをやらせようとすると、とたんにできなくなってしまうのだ。ポン太はたしかに管理人に懐いてはいるが、やっぱり100%信頼してるわけじゃないんだろうと管理人はいつも思う。
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群れにいるときは、ビビリも安心

ビビリというのは病気ではない。ただ、そういう性格だというだけだ。人間にも慎重な人と剛胆な人がいるように、犬にだって繊細で神経質な個体はいる。そういう自分の愛犬の性格を理解して、そのコに合った飼い方をしてくれる飼い主に巡り会えれば、ビビリ犬だって十分ふつうの家庭犬らしい生活はできるのだ。犬にも色々な性格のコがいるように、飼い主のほうにだって色々な人がいる。中には、時間がかかっても苛々せずにちゃんとこういう犬たちと信頼関係を築ける人だってたくさんいる。

要は相性の問題だと管理人は思うのだ。ビビリ犬を励まして、いっぱい愛情を注いで、きちんと信頼関係を築ける人にとっては、ビビリだってかけがえのない我が家の愛犬だ。それこそ、いったん信頼関係ができてしまえば、これほど可愛い犬たちはいない。他人には見せないとびきりの笑顔を見せてくれた時は、それこそ、天にも昇る気分にさせられる。

ただ、ビビリ犬を単なる「温和しくて飼いやすい犬」だと思って飼いはじめると飼い主にとっても犬にとっても良い結果は生まれない。たとえば、ビビリのワンコをもらった直後に逃げられてしまったなんて話を聞くと、やっぱり悲劇だと思うのだ。なぜなら、人に懐かないビビリの犬をふたたび捕獲するのは信じられないほど大変な作業だからだ。

むろん、飼い主だって十分注意を払っているのだ。だから、逃げられてしまったという事実を責める気は毛頭ない。ただ、ビビリ犬に関しては、発想を転換したほうが良いんじゃないかと思うことがある。

ふつうの犬なら、犬をもらったその日から、散歩に行くのは当たり前だ。ワクチン未接種のパピーでない限り排泄を兼ねて近所を歩きまわるのは当然だと誰もが思う。だがビビリ犬の場合には、そうではないと思った方が身のためだ。なぜなら、個別対応のビビリ犬にとって、最初は新しい飼い主も新しい土地も怖い物だらけの恐ろしい環境でしかないからだ。連れてきた当初は、まずは飼い主に慣らすことから始めなければならない。目を離す時はクレートに入れて、室内を自由に歩かせる場合にも、念のためロングリードをつけておいたほうが良いだろう。ビビリの犬はちょっとしたことでパニックを起こすのだ。パニックを起こして駆けだしてしまった犬を捕まえるのは至難の業だが、リードを引きずっていれば、その場で回収できる確率が各段に上がる。

成犬の中には外でしか排泄できないコもいるし、外に出さざるをえないケースもあるが、最初の数週間、長ければ数ヶ月は、それこそ排泄のためだけに家の外(できれば庭だけ)にちょっと出るだけで、あとはずっと家の中なんて生活が続いてもビビリ犬の場合にはそれで良いのだと管理人は思う。むろん、一生家の中で怯えている生活で良いと言っているわけではない。ある時点で、少しずつ外に慣らす訓練はもちろんやっていかねばならないと思う。だが、それができるようになるのは、飼い主との信頼関係がきちんとできて、家に慣れてからの話なのだ。その前に無理して外に連れ出すと、迷子になって、捕獲するのに大騒ぎということになりかねない。

ビビリのコの良いところは、いったん人や飼い主に慣れてしまうと、ちょっとやそっとでは自ら離れようとしなくなるところだ。ツチノコ兄弟や姫のような好奇心旺盛なやんちゃな犬だと、なにかに興味を惹かれてぶっ飛んでいってしまうこともあるが、ビビリの犬にはこれはない。たとえパニックを起こして駆けだしていってしまっても、冷静になれば必ず飼い主の元に戻ってくる。いったん信頼関係ができあがれば、ビビリの犬はストーカーになるのだ。パニックを起こして走りだすのを防止するために、むろんリードはつけておくが、その心配がなければ、リードなんかつけなくても、ビビリの犬は飼い主から決して離れたりはしない。ここまで持っていけば、ビビリの犬も安心だ。

だが、この状態まで持っていくのが、ビビリの犬は大変なのだ。

ビビリの犬を飼う人は、彼らのことを理解してやって、長い目で見てやって欲しいなと管理人は思う。ビビリの性格を理解して、こいつらは元々限界値が極端に低いのだと、基本はすべてが怖い物なんだという前提のもとに、そのコの現在の力量に合った飼い方をしてやって欲しいと思うのだ。ビビリは決して病気ではないが、極端に臆病な犬というのはふつうの犬とはやっぱり違う。だが相対評価ではダメ犬といわれてしまう彼らだって、時間をかければ、ちゃんとふつうの家庭犬になれるのだ。

ビビリは、決して「温和しい、飼いやすい初心者向き」の犬じゃない。ビビリの犬をちゃんと飼うには、気の遠くなるような時間と、決して諦めない忍耐力と、犬のサインを見逃さない飼い主側の知識が必要だ。その覚悟があって、頑張った飼い主にだけ、彼らは誰にも見せないとびきりの笑顔をご褒美にくれる。
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ビビリのコに懐かれると、飼い主はメロメロになる
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テーマ : わんことの生活
ジャンル : ペット

Comment

学生時代は馬術部だったんです。愛知県にある乳牛牧場で、併設の乗馬クラブの厩舎に馬術部が入ってたんです。1日の大半が牧場(笑)馬はそれなりに真面目にやったけど犬には甘いですf^_^;まぁいいや~ばっかり。散歩の引きが多少強くても所詮は犬。めんどくさい事は腕力で解決(汗)そろそろ無理ですが。

ビビリちゃんはとにかく『お家に帰りたい子』でした。トラウマは『音と大人数』が残ったみたいで、賑やかな公園には行けません。ただ散歩は好きでした。先代犬の他の子達は筋金入りのおバカだったんで一生懸命ついてきてました(^-^)群れからはぐれるのもトラウマになってたのかも。牧場では脱走し放題でもいつの間にか合流してました。

ビビリには『多頭飼いの下位』が居心地良いみたいでした!一応私が群れのトップと思ってくれたのか、どこに居ても私を見失わないのが何より可愛いくて可愛くて。本来は明るい子でしたし、信頼関係は私の努力ってより先輩犬が作ってくれたみたいです(汗)犬が怖くないなら、ビビリちゃんには優しい先輩犬の居るとこが良いかもと思います。ビビリは直接対決で向き合うとイラつく事もありましたもん(汗)

おや馬術部とは……ハイソなご趣味(笑)

そうそう、ビビリの犬ってけっこう多頭飼い向きのコも多いですよね。っつぅうか、先輩犬と大きな群で歩くと、けっこう散歩もちゃんと行ける。たぶん、置いていかれるほうが恐怖で、夢中でドアから出ちゃうんでしょうけど。うちの隠し子も、うちのコと一緒ならちゃんと散歩に行けますもの。

やっぱり犬どうしはちゃんと意思の疎通ができるから、人間と一対一よりは、早く家に馴染むんでしょうね。ビビリの場合は多頭飼い推奨。これもこの国なりのビビリ飼いのスタンダードになるかも?
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スーパードッグにはほど遠い、おとぼけワンコたちと暮らすフツーの飼い主


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