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広報活動

AAが犯したもうひとつのまちがいは、広報活動のまずさだった。これも要は組織化された団体かどうかの問題なのだが、ほんらい外部との接触だけに特化する広報のプロがいるかどうかでプロジェクトの印象は変わっていく。

日本の政治の場合は、役職がいわば順送りなのでこれは当たらないのだが、たとえばアメリカ政府の場合、報道官という仕事は政府の顔として重要な役割を果たす要職だ。ゆえに、どんな意地悪な質問にも平然と応えられ、ユーモアがあって、人を惹きつける技術を持つ広報のプロがスカウトされてその任につく。バックでは、スピーチライターやプランナーなどのこれまたその道のプロが広報戦略を練り上げる。その多くは政治家ではなく、マスコミ関係出身のまさに広報のプロ集団なのだ。

小規模保護団体にそこまでやれとはいわないが、少なくとも世間の支援を得たいと思ったら、広報に力を入れるのはとうぜんだ。だが、ごたぶん漏れず今回のAAも、広報に関しては最初から最後まで数々の失態を繰りかえした。

何より最大の失敗は、世間の知りたいことと自分が知らせたいことの誤差にまったく気づかなかったことだ。今回のような大規模レスキューの場合、世間の注目が集まったときに間を空けずして新しい情報を矢継ぎ早に出していくのは、世間の興味をつなぎ止め、より大きな運動へと展開していくための常套手段と管理人は思っている。だが、AAは必要な情報を出しそびれ、すべてが後手後手に回っていた。情報を出さないから、憶測が始まる。確証が得られないからデマや噂が一人歩きする。その後は、その火消しに躍起になるのが精一杯で、気づいたときにはけっきょく手のつけられない状況になっていた。

妙なもので、ボランティアにもグレードのようなものがある。誰も声に出してはいわないが、里親探し業界ではやはり預かりボランティアが花形であるのは紛れもない事実だろう。じっさい即戦力となるのは犬を預かれる人たちだし、その移動や世話に従事するボランティアが活動を支えているといっても過言ではない。ゆえにサイトの管理など裏方を志願する人はあまり多くないし、それをわざわざ募集する団体もめったにない。いまは多くの保護団体が自前のサイトを持っているが、たいていはスタッフが片手間でその運営をしているのが現状だ。

ふだんはそれでいいのだろうが、今回のような大規模レスキューに関わったとき、とうぜんながらその運営は滞る。じっさい多少は更新していたとしても、現場から疲れ果てて帰ってきた人の報告は、あくまでも彼らが伝えたいことであって、それが必ずしも周りが知りたいこととイコールにはならないのだ。

そうすると、次第に保護団体側の思惑と世論が乖離していく。だが、冷静な目で世論を判断できない現場の人間は、そのギャップにすら気づかない。おそらく管理人どうようAAの公式サイトをチェックしていた多くの人は、その滑稽さに気づいたことだろう。だが、当事者たちはそれにまったく気づかずにみるみるダウンスパイラルにはまっていった。

これは何もAAだけに限ったことではない。保護団体(とその関係者)のサイトを覗いてみると、何やっとんじゃ、こいつら!? といいたくなることが少なくない。これでも管理人は保護犬を引きとって育てているセミ関係者みたいなものである。それでも頭にクエスチョンマークが10コぐらいつくような妙なことを平気で書いている人がけっこういる。たしかにそれは、保護活動の業界ではふつうのことかもしれないが、世間一般の常識に照らし合わせるとやっぱりアウトでしょう、と管理人などは思うのだが、業界の水にどっぷり浸かりきっている人たちにはそのおかしさに気づこうともしないのだ。

ここで考えなくてはいけないのは、ブログなりサイトなりを誰に読ませたいのかという問題だ。もし、保護活動関係者のあいだだけで盛り上がりたいだけなのなら、それはそれでいいだろう。好きなことを書きまくって、仲間うちだけで喜べばいい。だが、保護活動のほんらいの目的は、飼育放棄する人を減らし、殺されるためだけに生まれてくる命の数を減らし、運悪く飼い主がいなくなってしまった動物に新たな家を見つけることだ。そのためには、飼育放棄しそうな人、あとさき考えずに繁殖に手を出す人、家を探している犬猫を引きとってくれそうな人に対して訴えかけなくてはならないはずだ。

ペットショップでの生体販売を止めさせたいのなら、いままで何の疑問も持たずにペットショップで犬猫を飼っていた人に他に方法があることを知らしめる必要があるはずだ。にもかかわらず、ペットショップで買った犬の悪口を書きながら、ペットショップで犬を買うのは止めましょう、そうだそうだとやっていても、事態は何も変わらない。なぜなら、ペットショップ出身の犬を悪くいった時点で、そういうところで犬を買った人たちは、その先を読まずに怒って帰ってしまうからだ。

広報というのは、自分が言いたいことを声高に主張することではないはずだ。いくら大声を張り上げても、誰も聞いてくれなければ意味はない。人に意見を聞いて欲しいのなら、まずは相手が欲しがる情報を与えなくてはならない。誰もが見たがる情報を与えつつ、その端々にこっそり自分の主張を埋めこむのだ。それが巧く戦略的にできないかぎり相手を説得するのは難しい。

むろん、広報活動というのは即座に結果が出るものではない。1頭の犬を救って、良かった良かったと喜びの舞を舞うような直接的な活動とはちがうだろう。だが、1頭の犬を救って助けられるのはしょせん1つの命だけだ。それに比べてきちんと継続的に続ける広報活動は、結果的に数百頭の命を救うことになる。

残念ながら、動物保護活動に携わっている人の多くはその事実に気づかない。だから、いつも今回のAAのように広報活動で大失態を演じるのだ。

(しつこいけど、あともう1日)
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