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@虹の橋

この世から旅立ったペットたちが、天国への旅の途中に必ず立ち寄る場所があるという。

そこは緑が生い茂った草原で、食べ物も水もふんだんにあって、暖かい気持ちのよい季候の中、老いや病気にもう悩まされることなく、元気な体で仲間と楽しく遊び回るのだ。

彼らはそこで、残してきた飼い主がやって来るのを待ち続ける。いつの日か、一緒に虹の橋を渡って天国へと旅立つために……。

=========
いつも穏やかな雰囲気が漂う、平和な虹の橋。ところがある朝、そこでちょっとした騒ぎが起こっていた。

K「ねえねえディーくん、何だか入り口の門の辺りが騒がしくない?」

D「こんなところまで来て騒ぎを起こす奴って、いったい誰だよ。ここではみんな、穏やかで、楽しい気分で暮らしてるんだぜ?」

K「なぜだか、ボク、ものすご~く嫌な予感がするんだけど……」

D「おいおい、騒ぎの元が近づいてきたぞ。声がどんどん大きくなっていく。もしかして、あの声は!?」

K「ああ、穏やかで楽しい日々だったのに……」

うんざりした顔つきのツチノコ兄弟に向かって、全速力で駆けてくる巨大すぎるビーグル風の犬。しかも力一杯歌いながら……

姫「あっ、いたいた! アンタたち、こんなとこにいたのね。大騒ぎして探しちゃったじゃない!」

K「オバサン、もう来たんですか?」

D「いきなり来んなよ。こっちにも、心の準備ってもんが必要なんだから」

姫「まったく、ここの門の管理人って全然融通がきかないのよ。こっちに着いたはいいけど、仲間がいる人は住所を聞いているはずだから、そこで一緒に暮らせるけど、そうじゃなければ独り暮らしだって言うじゃない。アタシはね、先に仲間が来てるから、そこで一緒に暮らしたいって頑張ったのよ。でも住所を聞いてないとダメって言い張るんだもん。もうお役所仕事って嫌よね!」

K「相変わらず、他人の話は一切聞かないんですね、あなたって……」

姫「だから、住所を聞き忘れたのは単に手違いで、絶対仲間がいるんだって、姫、門のところで頑張って梃子でも動かなかったわけ」

D「お前、こいつに住所伝えてくるの忘れたわけ?」

K「あれぇ? そうだったかなぁ~。チキンさんには言った覚えはあるんだけど……」

姫「まあいいわ。とにかく、仲間と再会できない限り、姫、ここから1歩も動かないって頑張ったら、仕方がないから探してくれるって。で、仲間はどんな奴らだ? って訊かれたから、アンタたちのこと説明したら一発でわかったわ。アンタたち、結構ここでも有名なのね」

K「なんて説明したんですか?」

姫「デカ顔で脚の短い、色違いの不細工なデブ兄弟」

D「オレ、ここに来て初めて殺意を抱いたぜ」

姫「とにかく会えて良かったわぁ~。また昔のように、仲良く皆で暮らしていきましょうねっ、ねっ、ねっ!」

K「仲良しじゃありません。オバサンとは、あくまでも単なる同居犬ですから」

姫「で、ここのシステムはどうなってるの? 食べ放題の国って聞いたんだけど、やっぱりあれよね、お食餌はバイキング形式よね。決まった時間にどっかに食べに行くの? それとも、もしかして家の2階の猫餌バイキングみたいに、1日24時間食べ放題!? 姫としては、やっぱり猫餌バイキング形式がいいかな。だって、最近、姫はいつも1日5~6食は食べてたから」

D「それより、お前、土産はどこだよ? 管理人さんがオレたちの分もグリニーズと棒ダラ持たせてくれたはずだろ?」

姫「鶏の唐揚げとアンパンも持たせてくれたわ。でも全部食べちゃった」

K「全部食べちゃったぁ? なんでですか! どうしてそんな酷いこと(涙)」

姫「だって、ここって思ってたよりずっと遠いんだもの。姫、ついうっかりして朝ご飯食べる前に出発しちゃったのよね。だから道中お腹が空いて倒れそうになっちゃって。ちょっとだけって思ったんだけど、一口食べたら、もうターボかかっちゃって、気がついたら全部食べてなくなっちゃったってわけ」

D「オレ、ここに来て初めて猛烈な怒りを感じたぜ」

姫「でも良いじゃない。だってここは食べ放題の国なんでしょ? グリニーズも棒ダラも、いくらだって食べ放題じゃない。だからわざわざ持って行く必要もないかなって」

K「食べ放題の国っていっても、何だってあるわけじゃないんですよ。だから犬猫屋敷の人気メニューは、こっちに誰か来るときに、わざわざ管理人さんが持たせてくれるのに」

姫「ええっ!? じゃあグリニーズも棒ダラもここにはないの? ちょっと待ってよ、そんな話聞いてないわよ。食べ放題の国とか言って、それじゃ詐欺じゃない! 許せない。そんなの絶対納得できない! メニューを増やしてくれるように、ここの管理人にかけ合ってくるわ!」

D「あ~あ、行っちゃったよ。また大声で喚いてる」

K「やっぱ、管理人さんが来るまで、ボクたちここで待ってなきゃいけないんですよね」

D「ああ。管理人さんが来るまでね。あれと一緒に……(ため息)」
=========
先週のはじめ、姫は唐突に旅立っていった。姐さんの出立も潔かったが、姫はそれ以上にあっさりと、うしろも振り返らずに逝ってしまった。

10年近くも一緒に暮らしてきたのに、挨拶もなしかよ(-。-) ぼそっ

あまりに急な出来事に、管理人は当初哀しいという感情すら湧かなかった。嘆き悲しむ家人を尻目に、オートパイロットで姫の身体をきれいにしてやって、いつも寝ていたベッドに寝かせて、そのまま仕事に出かけたのだ。

急に現実を認識したのは、会社に行く途中で、冷凍庫から出した夕飯用の生肉を、部屋のどこかに放置してきたことに気づいたときだ。まだ家にいるかもしれない妹に、大慌てでメールを打った。だが、「生肉回収して!」と打ちながらふと思ったのだ。

まあいいか。生肉が置いてあっても、もう盗み喰いする奴いないし。

そう思った瞬間に、どうしようもなく哀しくなった。姫がやらかしたあれこれが走馬燈のように頭の中を駆けめぐり、その場で泣きだしてしまいそうになった。本当にアイツ、ろくでなしだったよなぁ~。でも飼い主にとっては、我が家の可愛いろくでなしだ。

姫が行ったせいで、あの世は恐らく騒がしくなった。そして姫が逝ってしまったこの世の方は、あまりに静かで平和すぎて管理人はやり切れない。

10年近くの長きにわたり、姫を応援し、可愛がってくださった皆様に、愛犬に代わって心より御礼申し上げますm(_ _)m



前日まで、姫はこんな風に元気に散歩に行っていた


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