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調律

年末に姫がいろいろやらかした。珍しくおもちゃを破壊し、続いて半年ぶりにシッコをたれ盗み食いが復活した。ついでに、散歩の際のイグアナ変身率も一時的に異常にあがった。

この現象を人は何と呼ぶだろうか?

もしあなたが犬を飼ったことのない素人さんなら、大笑いのブログネタと呼んでもらってけっこうだ。もし、あなたが初めての犬を飼いだしたばかりの若葉マーク付きの飼い主ならば「うんうん、うちでもあるある!」と頷きながら笑ってもらってかまわない。

だが、ある程度犬を飼い続けているフツーの飼い主レベル以上の方たちには、この現象を見て、おっと、犬猫屋敷の管理人ピィ~ンチ! とぜひとも思っていただきたい。

なぜなら、姫のとつぜんの悪行の数々は、まちがいなく犬が飼い主に送っている何らかのサインだからだ。

楽器を演奏する人なら誰でも知っているように、美しい音色を保つには、定期的な調律が必要だ。シンセサイザーのような電動楽器(って呼ぶのかな?)以外のすべての楽器は生き物だ。ピアノもギターもバイオリンも、湿度、気温などによって音が少しずつ狂ってくる。たとえば弦楽器などは、演奏中に何度も弦の微調整が必要になる。

じつは犬のしつけもどうようで、いったん完成した成犬であっても絶えず微調整が必要になる。これは躾本には書いてない事実だ。だから多くの初心者飼い主は、いったん犬にある芸を教えてそれをマスターさせたとたん、反復練習をしなくなる。だが、じっさいはお手もオスワリもフセも来いも、定期的にやらせてみて、その精度が落ちていないことを確認しておかなくてはならないのだ。

だから犬のしつけに終わりはない。愛犬を見送らなくてはならない最期の日まで犬のしつけは続いていくのだ。

楽器の微妙な音の狂いに最初に気づくのが演奏している本人であるように、犬に調律が必要な時期に気づくのは飼い主自身であって欲しい。たとえばオスワリといったとき、いままで即座に座っていたコが、タラタラオスワリするようになったら、それは最初のサインである。来いと呼ばれてなかなか戻ってこなくなったら、犬が飼い主を試している証拠だろう。

ある程度の経験を積むと、犬の出すそういうサインに敏感になる。小さな徴候を見のがさずに早めに調律しておけば、微調整で済んで楽だということを飼い主のほうも経験からちゃんと学習しているからだ。

犬にはいわゆる反抗期は存在しないと言う人もいる。たしかに、人間の子どもの反抗期のように、この時期を過ぎればまた元に戻るというような反抗期はないのだが、飼い主を試し、飼い主に挑戦してくる時期というのは犬にもある。それどころか、犬を飼っているとほぼ定常的にそういう時期にぶち当たる。

それをアルファ症候群と言いきる人も多いのだが、管理人はいわゆるアルファ症候群とはちょっと意味がちがうと思う。犬にしてみれば、自分の都合がいいようにちょっとばかしルールを変えたいと思っているだけなのだ。呼ばれたら飛んできて、即座にオスワリしないともらえなかったご褒美が、タラタラ歩いてきて気が向いたら座るだけでいただけるのならそれに越したことはない。飼い主の膝のあたりに肩が来たときだけ振る舞われていたご褒美が、飼い主の膝と尻尾が並んだときにももらえるようになれば、それだけ褒美をもらう頻度が多くなり、犬にしてみれば美味しい状況になるわけだ。

むろん、それがどんどんエスカレートしていくと、犬がすべてのルールを決めるようになり、みごとにアルファ症候群の犬ができあがる。そうなってしまうとそれを元に戻すのは至難の業だ。専門家の助けを借りて膨大な時間を費やさないとならなくなる。

だが、ちょっとした微調整だけならどんな飼い主でも日々の生活のなかで、自力でやっていけるのだ。

そのうえ、おもしろいことに微調整が必要なのは、たいてい飼い主のほうなのだ。姫のお漏らし癖の復活は管理人の褒め方がすっかりおざなりになっていたせいだ。姫は、元もとどこでシッコをしようがかまわないと思っている。ただ、トイレですれば管理人に盛大に褒められて嬉しいので、そこまで駆け戻ってやっていただけなのだ。

引っぱり癖に関してもどうようで、興味深い臭いを嗅ぐ代わりに飼い主の横について歩くのは、そうすれば褒めてもらえて美味しいおやつがもらえるからだ。だが、ある程度ついて歩くことを姫がマスターした時点で、管理人はGoodという褒め言葉をあまり言わなくなっていた。そうするとそのあとに出てくるおやつの可能性が見えなくなる。ゆえに姫は横について歩く代わりに臭いを嗅ぐ方を選ぶようになった。

年末年始、急ぎの仕事が入ってきたこともあって、管理人はそこそこ忙しい生活を送っていた。おまけに正月はあれこれ家のイベントもあって、結果的に犬をかまってやる時間が少なくなった。散歩も短めに済ませていたせいで姫はありあまったエネルギーを破壊活動や絶叫や盗み食いに費やすようになった。

犬の行動には必ずきちんとした理由がある。犬がいままでとちがうことをやりだしたら、それは飼い主に何かを伝えようとしている印なのだ。ちょっとした行動の変化を見逃さずに、その場で原因を考えてアジャストしていけば問題行動の根は簡単につみ取ることができる。

これはたぶん、管理人だけではなくとりあえず長年犬を飼っている人全員が、無意識にちゃんとやっていることなのだろう。だが、そういう秘訣を延々書いている躾本はあまり世間には存在しない。ゆえに初めて犬を飼う人や、これから犬を飼おうとしている人たちの多くは、オスワリとお手とあれこれコマンドを一度教えれば、あとは放っておいても大丈夫というような変な誤解をしてしまう。犬のしつけは6ヶ月までに済ませるなんていう妙な迷信もこんなところから生まれてくる。挙げ句の果てには、愛犬が覚えたコマンドの数の多さを競うような変な飼い主が現れるのだ。

だがね、飼い主がストレスなく犬と楽しくずっと暮らしていくために一番必要なことは、日々の微調整なのだと管理人は思うのだ。個体によって姫のようにしょっちゅう調律が必要なコもいれば、カイのように安定性が高いコもいる。自分の愛犬にどの程度微調整が必要かは、飼い主自身が見極めなければならないことだし、もし自分でそれができないのなら、専門家の助けを借りることも必要だろう。

日々の微調整をきちんとしていけば、犬を捨てたくなるような事態にはならない。愛犬が奏でる音色が狂いかけていることに気づく飼い主が増えていけば、捨てられる犬の数は減っていく。ついでに言えば、一生微調整を続けていくのがめんどうだと思う人は、最初から犬を飼わないほうが身のためだ。

正月明け、ようやく納期を終えてちょっと生活に余裕が出たおかげで、少しばかりの調律をほどこした結果、姫はまた元の飼いやすいよいコに戻ってくれた。トイレの失敗もなくなり、その後破壊活動もなく、お歌も歌わず引っぱり癖も元のレベルに戻り、平和がもどった犬猫屋敷の新年である。

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