スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ワイドショー

あいかわらず一部では広島がらみで変な方向に盛り上がっているらしいが、管理人としてはもううんざりなので、ほとんど知らんぷりを決め込んでいる。あれこれ言う奴はいるだろうが、要はあそこで保護された犬たちが、全員家庭に入ってふつうのペットになれればいいわけで、そのために、それぞれがやれることをやればいいわけだ。じつにシンプル。

管理人の思考回路は犬並にシンプルな構造になっている。

で、今回の騒ぎを見聞きするうちに、じつにワイドショー的だな、と管理人は思った。ワイドショーというのは、管理人もごくたまに観るのだが、じつにさまざまな話題を短時間で流してくれる。最近では政治経済の話題から芸能人の結婚離婚にダイエットまで、ほんの2時間足らずの放送枠にぎっしり詰めこまれているのだ。インパクトのある映像や衝撃的な事実(ってほどのことでもないと思うのだが)を連発してお茶の間の皆さんにともかく情報を与えていく。それがワイドショーの目的である。

ここで与えられる情報は、ほんのとっかかりでしかないのだが、なかにはワイドショーを観て、それですべてを知ったような気になる輩がいる。それは、たいへん危険なことだと管理人は思うのだ。

テレビを含めたマスコミの流す情報というのには、必ずそれを流す側の意図が働く。たとえば、広島ドッグぱーく崩壊の件といって、定点カメラで映した現場の模様を2時間ただ流しているだけなら、それを観た人それぞれがさまざまな感想を持つはずだ。だが、ワイドショーの一部として10分の枠に収めなければならないとしたら、情報の送り手が訴えたいことをもっとも効果的に伝えられる映像を編集して使うことになる。そこに映っているものは単に情報の送り手が伝えたいことだけなのだが、それを観て視聴者の多くはすべてを見た気になってしまう。

たとえばイラク戦争が始まった当初、アメリカで一番視聴率を稼いでいたのはFOXテレビだった。なぜならFOXは愛国心高揚をスローガンにアメリカ人が見たいニュースだけを伝え続けていたからだ。多くのアメリカ人は、より中立なBBCなどの国際ニュースよりもFOXの流す情報を信じた。その結果、いつの間にかイラク戦争が泥沼化し、FOXを信じていた人たちは騙されたと怒り狂っているのである。

現代の情報化社会では、人はさまざまな情報にさらされる。そのなかから何を選んで信用するかは情報の受け手が選択すべきものなのだ。また同時にあまりに得られる情報が多すぎるために、ひとつひとつの事柄について深く考える余裕がなくなってしまう。これも現代の情報化社会の問題点だ。

ワイドショーはまさに現代情報化社会の申し子だ。そして、残念ながら動物保護活動というものは、こういった手っ取り早く効率よく単純明快に物事を済ましていこうという現代の風潮とは相容れないものなのだ。

ワイドショーの目的は、短時間に大量の情報を視聴者に与えることで、観る人に満足感を得てもらうことなのだ。そのためには、わかりやすく伝える必要がある。ゆえに単純な図式が好まれる。

広島の事件が発覚した当初、痩せこけてぼろぼろになっている犬たちの映像はそれだけで視聴者の涙をそそる非常にワイドショー好みのものだった。そのため、多くの局がこの話題に飛びついた。だが、そこで報道された実態は単なる犬動物園の経営失敗で、あそこが繁殖所であってこういう場所が日本中の至るところにあるという事実を伝えた番組はなかった。

民放の経営はスポンサーからの広告収入で成り立っている。大手のスポンサーであるペットフードやペット用品を売る企業にとって、商品を大量に置いてもらえる大手のペットショップは上得意だ。もし、繁殖所の実態について報道したら、安価でパピーを売る大手のペットショップは安い仕入れ先を失い経営が成り立たなくなる。

広島の件と前後して、犬好きのあいだでもうひとつの話題になった四国の崖っぷち犬の一件こそ、まさにワイドショー的な動物愛護の典型だろう。崖の上に取りのこされた可哀想な犬を救出するのは、ドラマチックでエキサイティングでまさにテレビ放映にはぴったりの素材だ。だが、崖っぷちにいる犬を救出するのは、動物レスキューの始まりでしかない。無事助けられた犬が新しい家庭に引きとられ、その家できちんとペットとして飼われて一生を終えて初めてあのレスキューは終了する。

だが、雑種の犬がふつうの家でふつうに飼われているようすをわざわざ話題に取りあげる番組などないだろう。もしかするとほんとうにネタに詰まったときにワイドショーの5分枠で「あの崖っぷち犬はいま」みたいな伝えられ方はするかもしれないが、人に飼われたことのない野犬のコを、しかもすでに人に慣れるための社会化期を過ぎてしまっている犬をふつうの家庭犬として飼う難しさにまで言及する番組はないだろう。

多くの一般人は、苦しんでいる動物を助けることが動物レスキューだと思いこんでいる。だから、拾った犬や猫を保護団体に届けに来る輩があとを経たない。

「道ばたに捨てられていたので保護しました。あとはよろしく」

拾った人にとっては、命を助けた、良いことをしたという満足感は得られるだろうが、保護した動物をきちんとした飼い主さんのもとに送り出さなくては、またその家でその動物が幸せな一生を終えるところを見届けなければ、ほんとうに命を救ったとは言えないはずだ。

保護団体として活動している人のなかにだって、同じような誤解をしている人がいる。雨後の竹の子のように生まれては消える保護団体の多くは、可哀想だと保護をはじめ、けっきょくアリ地獄にはまって、嫌気がさして止めるというパターンの繰りかえしなのだ。

各地の動物愛護センターに行って、処分の列で待っているコを引きだして来ることは誰にだってできる。だが、自分の家で飼うのではなく、そのコに新しい飼い主を見つけるとなるとそれは決して簡単なことではない。ましてや、里子に出したコたちの一生を見守っていくとなると誰にでもおいそれとできることではないだろう。

動物レスキューは難しい。だから多くの人が志なかばで挫折する。

いまの広島の騒動は、まさにワイドショー的な展開だ。事件が起こった直後は大々的にその話題をとりあげ、しばらく経つと、本筋とは関係ない部分がだんだんとクローズアップされていく。

「独占スクープ、ホリエモンは子どものころから焼き肉好きだった!」

みたいなビックリマークの必要あるのか?的なサイドストーリーの応酬になっている。だから馬鹿馬鹿しくて、管理人はもう見る気にもならんのだよ。ホリエモンが焼き肉好きだろうが、こんにゃくが好物だろうが、管理人には関係ないからね。

以前の記事にも書いたように、管理人は日本にもアニマルポリスをという運動には懐疑的な目を向けている人間だ。それは、ケーブルテレビで放映されているアニマルポリスの活動を見て、単純にアニマルポリスが動物レスキュー活動の切り札だというような誤解をしている人が多いように思うからだ。いま日本で放送されているアニマルポリスは全米のSPCAのなかでも、もっとも成功しているフロリダのケースだけだ。アメリカは日本とちがって州によって法律がちがうし、SPCAの活動も州によってばらつきがある。第一、わざわざアニマルポリスを新たに発足させる必要があるのか、という疑問もある。すでに日本には地域に動物愛護センター(←場所によっては名称にちがいはあるが)なる公共施設がちゃんとある。いまは犬猫の殺処分所と化しているセンターだが、ほんらいの名称どおり捨てられた動物を保護して、新しい飼い主に送り届ける仕事をメインにできるようにすればいいだけじゃないのかね。

だいたい国中がワイドショー化したいまの日本でたとえアニマルポリスが発足しても、実績が見えなければ、半年も経たないうちにアニマルポリス叩きが始まるのは目に見えている。急いでアニマルポリスを発足させて、「アニマルポリス=詐欺師」なんて騒ぎになるくらいなら、切り札は機が熟すまで大切にとっておいてもいいだろう。

動物レスキューの活動は、ワイドショー的な国には馴染まない。苦労せずお手軽に美味しいとこだけいただこうという思考とは相容れない世界なのだ。管理人がつくづくそれを実感したのは姫が我が家に来てからだ。

自分の愛犬をこう言っては何なのだが、姫がいま生きていて、うちでのうのうと暮らしているのはまさに奇跡である。ふつうの基準でいったなら、姫はまちがいなく殺処分の対象になる。SPCAの基準で見ても、問題行動山積み、5歳以上の成犬プラス持病持ちの姫は、シェルターに入って1週間以内に安楽死処分になっているだろう。たまたま良い人に拾われたおかげで姫はいま無事に生きているが、ふつうならもうこの世にはいないはずの命なのだ。

管理人は姫をもらって良かったと思っている。姫のように、ふつうの基準で考えれば助けられなくてもしかたのない命でも、チャンスを与えてやれることを証明できて良かったと思っている。同時に、姫のように多くの可能性を持っている犬が、毎日何十頭も殺処分になるのは、もったいないことだとも思っている。

管理人のように保護動物を飼っている人にとって、動物レスキューは15分枠のワイドショーの話題のひとつではないのだ。かたわらにいる愛犬を見るたびに、救える命はできるだけ救うべきだとつくづく思う。「さて、次は毎日5分で痩せられるミラクルダイエットの話題です」と言われても、この話は忘れて、はい次へとはならないほど、切実で現実的な問題だ。

だがいまの時点では、殺処分の問題や、広島のような多頭飼いの崩壊現場を目にするたびに、管理人が感じる苛立ちや無力感をせめて周りの人と共有できればいいと思っている。姫を飼ったことで、管理人にとって動物の殺処分が身近な問題になったように、姫に会ったことのある友人が、少しでも動物保護の問題を知ってくれればそれでいいと管理人は思っている。そのうえ、こうしてサイトを続けていくことで、会ったこともない人々にも、少しでもそういうことを伝えていければなおよろしい。

ワイドショーの話題にはならなくても、いまの現実を現実として受けとめてくれる人が増えていけば、いつか社会が変わっていくにちがいないのだから。
関連記事

テーマ : 【緊急」広島ドッグパークレスキュー450頭
ジャンル : ペット

Comment

非公開コメント

プロフィール

犬猫屋敷の管理人


Author:犬猫屋敷の管理人
スーパードッグにはほど遠い、おとぼけワンコたちと暮らすフツーの飼い主


Lc.ツリーカテゴリー
管理人のマーキング先
最近の記事
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最近のコメント
管理人にひと言いいたい!

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最近のトラックバック
QRコード
QRコード
ブログ内検索
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。