|Posted:2009/05/06 09:42|Category :
管理人の独り言|
世界中が、100年に一度の経済危機である。
まっ、管理人のように年中経済危機の人間には、あまり関係ないんだけど(-。-) ぼそっ 常に底辺を這いずって生きている身としては、昔は静かだった周辺の人口密度が、最近ちょっと高くねぇ? ぐらいの違いはあるにせよ、恐慌だろうがバブルだろうが、自分の生活自体は変わらない。これぞ、持たぬものの幸せである。
で、こういう時には必ず放棄されるペットが増える。人間だって食うや食わずやの状況では、正直四つ足にまで気を配る余裕はないっていう人が増えるのはしごく当然だ。少なくともね、一般ピープルの感覚だとそうなのよ。むろん、犬を食わせるために必死こいて働いている管理人のようなディープな趣味の持ち主だと、自分は残飯喰っても、犬にはプレミアフードを買っちゃったりするんだろうが(-。-) ぼそっ
まっ、ここまでやるのは一種のビョーキってことで、それはそれで良いのだが、昨日姫さんが
自分のブログに書いていたとおり、この経済危機の発信地である太平洋の彼方のあの国では、いま、大変なことが起こっている。アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)が最近リリースした
ニュースレターによると、 いまや全米で171軒に1戸の割合で差し押さえの危機に瀕している。ASPCAの統計によると、全米で63%の家庭が少なくとも1匹以上のペットを飼っているので、そこから算出すると放棄される犬猫の数は100万匹におよぶというのだ。実際、現在全米のシェルターはどこも放棄されたペットで溢れかえっている状況だ。そのうえ、この経済危機でシェルターの運営費の大半を占める寄付が一気に減っている。そのせいで、シェルター自体の運営ができなくなっているところも珍しくはない。
だが、これは決して他人事ではないのである。この国の場合は、オンタイムで統計が発表されないだけで、確実に日本でも放棄されるペットの数は増えていると管理人は思う。単純に、生活が苦しくなっている人が多いのだから、そのしわ寄せが物言わぬ動物たちにいってしまうのは、これまたとうぜんのことだろう。
事業の失敗、失業、給料カットで収入減。昨年末からさんざん報道されてはいるが、今後もどんどん状況は悪くなるにちがいない。家賃が払えなくて、もしくはローンの返済に行き詰まり、ペットを飼い続けようにも飼い続けることができない人が、今後ますます増えていく。
この国には、はっきり言って公のセーフティーネットは存在しない。二足歩行に対するセーフティーネットすら怪しい状況なのだから、法律上はタンスと同じ扱いの四つ足の毛玉に対するセーフティーネットなどあるわけない。あるのは、ささやかな手数料を払えば愛犬愛猫を見えないところで殺してくれる、誰も必要としてない公共サービスだけだ。
だから、四つ足の家族を迎え入れるときには、飼い主が責任を持ってセーフティーネットを用意しておかねばならないのだ。万が一、自分がこのコたちを飼えなくなってしまったら? その時、しばらくの間でも居候させてくれる家があったなら、彼らの命は救われる。
飼い主自身が用意できるペットのためのセーフティーネットは、飼い主同士のネットワークなのだ。たとえ短い期間でも、たとえそれが庭に繋いで飼う状況でも、それでも当座、愛犬愛猫の安全さえ確保できればいつか道は開けてくる。
だが、この一瞬のセーフティーネットがないためにペットを処分してしまったら、たとえ立ちなおったあとでふたたび犬猫を飼おうとも、決して元通りにはならないのだ。以前と同じ生活で、以前と同じ種類のペットを飼うことができたとしても、自分のせいで命を奪ってしまったあのコたちは二度と戻ってはこない。
管理人ほど極端に病的ではないにしろ、犬猫飼いというのは本来、他人の家のペットであっても、彼らの不遇を見て見ぬ振りはできないものだ。ましてや、それが散歩の途中でいつもすれちがう顔なじみのワンコだったら、絶対に見捨てることはできないだろう。自分の家で預かれないにしろ、きっとしばらく置いてくれる先を探して必死になって奔走する。そういう知り合いがいることが、実は自分のペットの命を守る、一番確実なセーフティーネットになるのだ。
たとえばこうしてネット上で情報発信するだけでも、実はセーフティーネットの役割を果たす。一度も会ったことのない他人の犬猫でも、やっぱりそのコたちが殺処分になると知ったら、いてもたってもいられないだろう。必死になって、誰か、しばらく置いてくれる人いませんか?と訊いて回るにちがいない。
「しばらく預かってもらえるのなら、わたしが取りに行って、ちゃんとお届けしますから」
「当座の餌も一緒に持って行きますから」
「うちでは物理的に世話はできないけど、医療費だけは肩代わりしますから」
そう言いたくなるのが犬猫飼いの人情だ。そういう犬猫飼い特有の人情こそ、実はペットの命を守るためのセーフティーネットになるのである。
経済危機で、飼っていた犬猫を手放さねばならない。それを口に出して言うのは、たぶんとても辛いことだ。だが、黙って見栄を張り続けていたら、うちのコがどんな末路を辿るかはちょっと考えればわかるはずだ。だったら恥を捨てて言ったほうが良い。
「このままだと、このコを飼い続けることはできなくなる。生活を立て直すための数ヶ月の間、こいつを居候させてもらえませんか?」
経済危機に陥ったから飼ってた犬猫を手放すなんて、無責任だ、最初から飼うべきでないのだと非難するのは簡単だ。だがね、ペットを飼い続けられなくなる状況というのは、実は誰にだって起こりえる。
自慢じゃないが管理人なんて、一般的な基準から言ったら、絶対にペットなど飼ってはいけない人間だ。始終経済危機でお金がないと喚いているし、そろそろ身体にガタが来てる中年だし、喰わせてくれる夫もいないし、残った犬猫の面倒を見てくれそうな子どももいない。自分の腕一本で仕事をしている自営業者は働けなくなったら終わりなのだ。たとえ自分が健康であっても、仕事がなくなったらこのコたちを食べさせていけない。つまりリスクが高いのだから、その分、万が一の時のセーフティーネットはしっかり張っておかざるを得ない。
管理人ほどリスクが高いわけではなくとも、嘘でしょ? という事態は誰にだって起こりうる。何しろ上場企業があっさり潰れるこのご時世だ。こんなはずじゃなかったというケースが、これからもどんどん起こってくるはずだ。
だから、絶対に破れないセーフティーネットは、飼い主自身の手でしっかり用意しておいたほうが良い。
今日、管理人がぽっくり逝っちゃったとしても、葬式に犬の毛がついたスーツ姿で現れて、猫の足跡がついた香典袋を差しだすような友人が、やっぱり犬猫飼いには必要なのだ。
「このたびは、ご愁傷様です……で、犬猫はどうなります?」
と涙にくれてる遺族に対していきなり言っちゃうような友人こそ、実は我が家の四つ足たちの命を守る大切なセーフティーネットになってくれる。

万が一の時には、くれぐれもヨロシク
- 関連記事
-
テーマ : わんことの生活
ジャンル : ペット