憎っくきコブ野郎
2008 / 06 / 20 ( Fri ) きょうはお見舞いに行ってきた。
まみれ仲間のしお爺が憎っきコブ野郎と猛然と戦ってるので景気づけに食いもん持って応援に行ってきたのだ。ついでに老々介護中の飼い主夫婦の慰問も兼ねて。 ワンコの具合が悪くて、ただでさえたいへんなときに無理やりお邪魔するのもご迷惑なのだが、それでも管理人は押しかけていったのだ。なぜならね、犬にとっても飼い主にとっても、見舞客というのは意外なまでに良い気晴らしになるものだということを、管理人は実体験として知っているからなのだ。 ディーの具合が悪くなったとき、しおんくんご一家を含め、何人もの犬友が慰問に来てくれた。そしてそれはディーにとっても、管理人にとっても、とても嬉しいことだった。ディーはお客さんが大好きなので、誰かが来てくれると病気とは思えない元気さで尻尾をブンブン振り回していた。次は誰が来るんだろうってそう思うことが、最後はディーの生きる糧になっていた。そして八方ふさがりで無力感にさいなまれている飼い主にとっても、たわいもない犬談義をすることが慰めになったのだ。 だからね、いきなり押しかけて行ったのよ。 「ご迷惑じゃなきゃお邪魔するわ。まっ、迷惑だって言われても邪魔しに行くけど」 ただ、それでなくともたいへんなときに、客人だ、ほれ掃除だと気を使わせてはならない。だからもちろんこうつけ加えるのも忘れなかったさ。 「しおんくん以外は目に入らないから、部屋にうんPが落ちてても気にしなくて良い」 で、ここ数日気温が急に上がったせいか食欲も落ちていて足腰も弱っていると聞いてたいそう心配していたのだが、覚悟していたより、しお爺はずっと元気にしていた。たしかに具合はそうとう悪いんだが、それでも少し気分が良くなるとちゃんと自力で顔も上げられたし、管理人が持参したタンパク質系バラエティーセットもけっこう気に入って食べてくれた。 しお爺はいまやお殿さまである。 「しおんくん、馬のハツ持ってきたけど、食べてみる?」 「苦しゅうない。もらっておく」 パクリ 「もひとつ、いっとく?」 「苦しゅうない。口に放り込め」 パックン 人間も含め、動物はね、食い気があるうちはまだまだ大丈夫なのだ。これは長年犬猫と暮らしている管理人の信念である。終いには、「これ、しおん食べないから良かったら持って帰って」と差しだされた超高級おやつのサメの軟骨もバリバリ平らげる始末。 「前にやったときは、見向きもしなかったのに、どーいうこと?」 お殿さまだからね。その日気が向かなきゃ食べないのよ。けれど他犬に渡すくらいなら、速効いただきますなわけだ。 言い方は悪いが、意地汚い動物は人間も含めて長生きする。もっと美味しいものが食べたい。もっと楽しいことがあるんじゃないか。もっと、もっととたくさんのことを望む個体はね、簡単にギブアップしないのさ。バラエティーセットの袋を開けて、持ってきたものを鼻の前にちらつかせたら、殿はクンクン鼻を動かしてたからね。あの調子なら、まだまだ大丈夫。 ただ、せっかく摂った栄養がコブ野郎に横取りされてるのが困ったところだ。殿よりもっと意地汚いコブ野郎。まったく、ふてい野郎だぜ。 しお爺改めしおん殿はいまも憎っきコブ野郎と全力を振りしぼって戦っている。 ![]() |
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