パンダさま
2008 / 05 / 05 ( Mon )
上野動物園のパンダが死亡したというニュースを聞いて、管理人がまず思ったこと。やっぱ、あれかね。この時代だし、とうぜんパンダは「亡くなる」んだろうな。

案の定、かなりの数のマスコミが、割とふつうに「パンダが亡くなった」と堂々と報じていた。

やっぱね、パンダは「亡くなる」わけだね。まっ、たしかに国賓待遇だし、パンダぐらいになれば、「亡く」なってもおかしくはないのかもしれないが……

管理人の祖父母の世代は、明治大正生まれである。ちゃんとした日本語を話すことが当たり前だった時代に生きてきた人たちなので、やはり敬語、丁寧語の類はすばらしかった。いちいち辞書をひかないと自分が正しいことを言っているのか確信が持てない管理人などとは大違いだ。そして、祖父母の話す日本語は美しかったな、といまでも思う。どこがどうという例は出せないが、子供なりに耳に優しい言葉だと思った印象がいまでも残っている。

うちの親より上の世代はおそらく、自分の親に対しても敬語を使わされた世代なのだと思う。だから、子どものころから日常生活のなかで、ふつうのしゃべり方と敬語をちゃんと使い分けていた。つまり自然に敬語が身についてる世代なのだ。いまの時代はそうじゃない。敬語は、就職試験に出るから必死で勉強しなくてはならないもので、いわば英語の単語を暗記するのと同じ要領で、一生懸命覚えなければならないのだ。

だから、いざというとき言葉に詰まって、わけがわからなくなりつつも、失礼になってはいけないと、一瞬丁寧に聞こえる気がする過去形を連発して妙なことになってしまう。

「もしもし、犬猫屋敷さんでよろしかったでしょうか?」

最近、勧誘でかかってくる電話の7割がこのパターンだ。

何がどうよろしかったのか。だいたい、いま電話で話しているのに、なぜ過去形で問いかけられなければならないのか、日本語が不自由な管理人でも、これが変だということぐらいは即座にわかる。

これより少しマシなパターンに

「もしもし、犬猫屋敷さんでございますか?」

という奴もあるのだが、厳密にいえばまちがっていないとはいえ、これも管理人は違和感を覚える。何となく、馬鹿にされているような気がするのだ。「ございます」はやっぱり管理人の印象では自分がへりくだるときに使う言いまわしなのね。

「犬猫屋敷の管理人でございます。どうぞよろしくお願いいたします」

みたいにね。管理人が考える正解は

「もしもし、犬猫屋敷さんのお宅でいらっしゃいますか?」

なのだが、こういう人はめったにいない。「ですか」が「いらっしゃいますか」に変化するという部分を覚えられない人々は、やたらめったら「よろしかったでしょうか」を連発する。

「よろしかった」ってさぁ〜「よろしい」ってその時点で偉そうじゃない、あんた? ファミレスに行っても、やはり「よろしかった」かと再三訊かれる。その挙げ句に

「ご注文の品は、すべてお揃いですか?」

と来たもんだ。ドリアやアイスコーヒーには敬語かい? 「はいはい、皆さんお揃いですよ。お元気そうでいらっしゃいますよ」とついつい答えたくなってしまうのだ。

これは以前も書いたと思うが、迷子の猫を探している業者の人にこんなふうに話しかけられたこともある。

「すみません、この猫、お見かけしませんでしたか?」

まあね、猫はお客さまなわけですし、やはり敬語を使った方が良いのかもしれませんがね。まっ、そう考えるとたしかに国賓級のパンダさまに敬語を使うのはとうぜんなのだろうが、それにしても、やっぱり違和感(^_^;)

祖父母が使っていた敬語や丁寧語がとても美しく思えたのは、それがシンプルで無駄のない言葉だったからだ。恩師がよく「巧い英語は、無駄のない英語」と口癖のように仰っていたが、それは日本語にもあてはまると管理人は思うのだ。「言う」は「仰る」、「来る」は「いらっしゃる」、そういう動詞の変化形がちゃんと頭に入っていれば、「○○させていただいてもよろしかったでしょうか?」みたいな無駄に長いセンテンスを組み立てる必要もなくなる。ただ、そういう活用形って覚えるのが面倒なんだろうね。だから、何にでも「よろしかったでしょうか」をつけてお茶を濁したくなる。

まあ、あと半世紀もすれば、パンダが「亡くなる」ことに違和感を覚える日本人はおそらく死に絶えるので、それはそれで良いのかもしれないが……

100年後の世界では、きちんとした日本語がわかるのは、ちゃんと日本語教育を受けた外国人と、ワープロソフトだけになるのだろう。それもまた一興かもしれないがね。ただ、小学校から英語教育なんかする時間があるなら、もう少し日本人に日本語教えてみても良いんじゃないかなと、管理人としては思うわけだ。

テーマ:わんことの生活 - ジャンル:ペット

14:33:48 | 管理人の独り言 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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