課題図書
2007 / 12 / 19 ( Wed )
そろそろ世間は冬休みなので、きょうはお正月休みにぜひ読んでいただきたい課題図書のご紹介。


この本、たしか1年くらい前だったかな、アメリカで発売当初からかなり話題になって、爆発的に売れたものなのだ。ハリウッドセレブ御用達のドッグトレーナーが書いた本で、有名人がご推薦となると本が売れるのはまあ日本もアメリカも一緒の話で、話題にはなってたが、どうせたいした内容じゃなかんべ、と半信半疑で管理人はこの本を手にとった。

ところが読んでみたら、これがたいした内容だった(^_^;)

作者のタマール・ゲラーはカリフォルニアでケージを使わないLoved Dogという犬の保育園を経営している。彼女の手法は暴力を一切排除した犬と遊んで楽しみながらいろいろなことを教えていく陽性強化だ。アメリカ人にありがちの「ちょっとこんなすごいことができるアタシってすごくない?」みたいな部分がちょっと鼻につくのだが、それを差し引いても、じゅうぶんあまりあるほどの濃い内容が含まれている。

ちなみに、もしあなたが本職のドッグトレーナー、もしくは真剣に犬の訓練方法を勉強しているのだとしたら、この本から新たに得るものはおそらくほとんどないだろう。作者は、自分が開発したオリジナルな訓練方法だと連呼しているが、じっさい彼女が使っている手法は、犬のトレーニング方法としてはすでに確立されているもので、とくに目新しいことではないからだ。

たとえば、日本でも数年前に話題になったこんな本↓を読んでいる人にとっては、この本は二番煎じにしか見えないだろう。

にもかかわらず、なぜ管理人がこの本をお薦めするかというと、この本は、『カルチャー・クラッシュ』などのいわゆる定番の躾本よりも、ずっとおもしろくて、わかりやすいからだ。

どうせ同じ内容なら、楽しんで読めた方が良くねえ?

管理人は天下のJKCに喧嘩を売るつもりはないんだが、かねがね、日本で考えられている犬のトレーニングって小難しすぎると思っているのだ。だいたい言葉からして難しいのだ。脚側歩行に招呼に伏臥に持来って、いまどきなんで漢字の羅列にするかなぁ? ここまで漢字を使いたがるのって暴走族ぐらいしかいないよ。脚側歩行じゃなくて「ついて」で良いじゃん。招呼なんて言わなくてって「おいで」で良いと管理人は思うのだよ。やってることは一緒なんだから、結果が同じならそれで良いじゃんよ。それをわざわざ小難しい専門用語使ってわかりにくくするせいで、犬の訓練は難しそうだし、アタシにはできないわってやらずに敬遠しちゃう飼い主さんが増えちゃうのね。これって大問題だと管理人は思うのだ。

この本を読むと、犬の訓練ってぜんぜん難しくないということがよくわかる。どんな人でも、毎日楽しみながら犬と遊んでいるだけで、いろいろなことを教えられるのがわかってくる。前半は陽性強化の理論が書いてあるのだが、具体的な事例を用いて犬という群動物がほんらいどうやって学習していくかがよく説明されている。後半にはよくある問題行動の直し方のノウハウが載っていて、なかにはかなりユニークなものもあって、それはそれで楽しめる。

ちなみに、管理人もこの中に書いてある手法をいくつか試してみたのだが、少なくともうちの連中は、このやり方がかなりお気に召したようだ。

最初に読んだ瞬間に、これはおもしろい、ぜひ日本でも出版すべきだと思ったのだが、今回ひょんなことで、自分自身が日本語版の出版にたずさわることになった。管理人の正体を知っている人は、なんだよ、自分が関わった本を宣伝してんじゃん、と思うだろうし、だから最初に念のために言っておくが、この本がいくら売れても管理人には一銭の得にもならないのね(涙) だから買ってくれなくていいのよ。図書館ででも借りて読んでくださいマシ。

なぜなら、すごく良い内容の本だから。ハリウッド・セレブが云々っていうチャラチャラした宣伝文句とは裏腹に、じっさいは、かなり内容の濃いそうとう良くできた犬の躾本だから。

テーマ:わんことの生活 - ジャンル:ペット

14:25:31 | お薦め本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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