究極のドッグトレーナー
2007 / 12 / 02 ( Sun ) きょうはきのうの記事の補足説明。
世間の犬のプロもぶっ飛ぶような妙な説を唱える管理人だが、こういうことを思いはじめたのは、じつはここ数年の話なのだ。具体的に言えば、姫が我が家にやってきたのを境に、管理人の犬飼い理論がドラマティックに変わった。なぜなら、それまで正しいと信じていたことや、こうすればいいと思いこんできたノウハウが、姫にはまったく役に立たなかったからだ。 我が家の歴代の犬たちは、飼い主の成長に合わせて、いろいろなステージのワンコがいた。一代目のデュークのときは、犬をしつけて飼わねばならぬなどということすら知らない超だめ飼い主だったために、内弁慶の超ビビリ、人も犬もまったく受けつけず、散歩はいつも犬に人間が引きずられ、挙げ句の果てにうちに来た人に咬みつくという事件を何度も起こすという目も当てられない状態だった。ちなみに、この時点では、管理人を含め我が家の人間は、犬のトレーニングなんてものは、警察犬とか盲導犬だけがやるもの、と信じて疑わなかったのだ。それでも、どんなダメ犬でも(じっさいは犬じゃなくて飼い主がダメだったのだが)やっぱりデュークは可愛かったし、大切な我が家の愛犬だった。捨てようなどとは思わなかったし、もちろん最後までちゃんとうちで看取ったが、いま考えるとデュークとの生活は正直かなりたいへんだった。 そこで、ツチノコ兄弟を迎え入れる前に、管理人はお勉強をしてみたのだ。そしたら、驚愕の事実が判明した。 アタシたちがデュークに対してやったことって、まちがいだらけじゃんか!? 世の躾本に書いてある「これだけはやってはいけません」ということを、ほぼすべて管理人はデュークに対してやっていた。そりゃ問題犬にもなるわな。だって、飼い主が折り紙付きの問題飼い主だったんだから(^_^;) というわけで、ツチノコ兄弟に対しては、管理人ははっきり言ってそうとうの教育ママになっていた。躾本に忠実に従い、やってはいけないと言われることはぜったいにやらず、我が子が世界一の名犬に育つと信じて日々精進を重ねたのだ。 で、結果、ツチノコ兄弟はたしかに犬にも人間にもフレンドリーだし、人を咬むことはぜったいにしないし(←デュークで苦労したために、この点は異常に気をつけてしつけをした)まあそこそこよいコには育ったが、かといってけっきょく名犬にはならなかった。 おかしい……躾本の通りにやれば、かならずラッシーになるはずだったのに!? とはいえ、以前の状態に比べれば、目を見張るほど成長した元超ダメ飼い主としてはここで思いきり有頂天になったのだ。どんな犬でもドンと来い。この蓄積されたノウハウを使えば、どんな犬だって名犬に育てられるわ!(←だから、名犬にはならなかったんだってばぁ〜) そんな、根拠のない管理人の天狗の鼻を思いきりへし折ってくれたのが、3年前に我が家にやってきた姫さまだったのだ。 ダメだ……なにをやっても姫には効かない(T_T) いまだから言えるが、管理人は本気で頭を抱えた。なぜなら、こうすべきと躾本やしつけサイトに書いてあるあれこれをすべて試してみたものの、けっきょく納得できるような成果はなにも得られなかったからだ。そこで、根本に立ち返って考え直してみたのだ。なぜ、姫は管理人の言うことを素直に聞こうとしないのか? そこであることに気づいたのだ。パピーから飼っていたデュークやツチノコ兄弟とちがって、成犬になって我が家にやってきた姫には、彼女なりの「人との関係はこうあるべき」という意見がある。なにかをやれと言ってもやらないときには、彼女なりにやりたくない理由がちゃんとある。その理由を取りのぞいてやれば、じっさい彼女は名犬になるのだ。ただ、やりたくない理由をそのままにして、無理やりなにかをやらせようとすると、姫はへそを曲げて梃子でも動かなくなってしまう。 我が家のルールを決める際に、犬の意見を聞くなんてことは、それまで信じていた犬と人間の関係からすると、ぜったいにやってはいけないことだった。なにしろ、それまでは管理人自身もアルファになるために犬と戦っていたのだから。 ツチノコ兄弟と管理人の関係は、親子関係に近いものだった。パピーの頃から飼っていて、それこそ赤ちゃんのときから手塩にかけて育てたコたちだ。だから、逆に言えば、ツチノコ兄弟は管理人のやることになにも疑問は持たない。管理人がそう言うのだからそう言うもんだ、と自然にそれを受けいれる。だが姫の場合は、「それはちがうんじゃないかしら?」と真っ向から疑問を呈するのだ。それは、天狗になっていた管理人にとっては、非常に新鮮な驚きだった。 たとえば、姫は雨の日にはオスワリをしたがらない。単に、濡れた地面に座ることでお尻が濡れるのが嫌なのだ。それをどう見るかは飼い主の考え方しだいだ。無理やり何が何でも座らせることもできるのかもしれないが、管理人はそんな無駄なことに時間を使うつもりはなかった。なぜなら、座ることが重要なのではなくて、管理人がそこで姫にやって欲しかったのは、その場から動かないということだったからだ。だから、雨の中で座ることを強要する代わりに、姫には立ったまま待つ「ストップ」を教えた。これは管理人のほうが譲歩した例だ。 姫はシャンプーと耳掃除が大嫌いだ。だが、これはいくら犬が嫌がってもやらないわけにはいかない。だから、この場合は管理人はぜったいに引かない。毎回嫌がって暴れて泣きわめくのだが、それでも姫は押さえつけられてシャンプーをされ、耳掃除をされる。ただ、終わったあとに大好きなご褒美をやることは忘れない。大嫌いなシャンプーや耳掃除のあとには、かならずめったにいただけないようなご馳走が出るのだ。あいかわらずいまでも姫は、シャンプーや耳掃除が大嫌いだが、それでも、最初のころに比べれば、ずいぶんおとなしくやらせるようになった。これを我慢すれば、あとに美味しいおやつがもらえるとちゃんと理解してくれたからだ。 で、要は何が言いたいかと言うと、究極のドッグトレーナー、自分にとっての最高の飼い主訓練士というのは、じつは目の前にいる毛むくじゃらの相棒なんじゃないかなと管理人は思うのだ。姫はその点、経験豊富な、そうとう腕の良いトレーナーだったので、おかげで管理人は犬飼いとして成長することができた。姫が腕の良いトレーナーである証拠は、管理人が巧くやったときにじつによいタイミングで、ご褒美の笑顔を見せてくれるからだ。 「スワレェェェ!!」 なに、その態度? 座って欲しいならちゃんとお願いしなきゃだめでしょう? 「姫ちゃん、オスワリ(^o^)」 そうそう、その調子。はい、ちゃんとお礼のレバーを出すのも忘れないでね。 果たしてどっちが飼われているのか、疑問に思う瞬間だが、そうやって姫は管理人に、どうやったら犬が喜ぶか、自主的に管理人の言いつけに従いたくなるかを教えてくれた。いまでも、姫は管理人が誉め言葉を忘れたり、お礼の品がイマイチだったりすると、へそを曲げて、管理人が肝心のことを忘れていると態度で示す。その高ピーな態度のおかげで、管理人はきちんと犬を誉めることが習慣となった。 姫が管理人をアルファとして認め、あとについてきてくれるのは、管理人が姫を喜ばせることのできる楽しい飼い主だからなのだ。だからその努力を怠った瞬間、姫はあっさりとそっぽを向く。良い具合になってきたなと気を抜いた瞬間に、問題行動が再燃するのも、よくよく考えてみると管理人自身が面倒になって手を抜いたり、まあいいやでやるべきことを怠ったりしているのだ。姫の出すリマークはそう言う意味で、とにかくすごくわかりやすい。 そして、なにより姫が管理人に教えてくれたことは、一緒の生活をとにかく楽しみましょうということなのだ。お互いにストレスなく楽しく一緒に過ごせるのがなにより。そのために、お互いに納得できるルールを決めて、それに従って仲良くやっていきましょうねということなのだ。 Been there, done that. 管理人はしつけなんてふつうの犬には必要ないとなにもせずに、けっきょくさんざんな目にあって苦労したこともあるし、マニュアルを信じて、それ通りにやったのに巧くいかなかったという経験もしている。だから、失敗してたいへんなことになっている飼い主さんの気持ちもわかるし、巧くいかなくて苛々する気持ちもよくわかるのだ。だが、どんなダメ飼い主であっても、じつは最低限犬と楽しく巧くやっていく方法というのはかならず見つけられる。これまた経験から自信を持って断言できる。ちょっとした工夫と、正解を探しまわる努力と、あとは目の前のワンコの出すサインをきちんと見極めてそれをちゃんと理解することさえできれば、どんな飼い主だって犬と楽しく暮らしていくことはできるのだ。 だから、目の前の名トレーナーの意見を聞きなさい。彼らがなにを望んでいるか、それを自分が望んでいることと同時にできる方法を考えなさい。悩んでいる新米飼い主さんの苦労を見るたび、管理人はそう言いたくなるのだ。最後に答えを教えてくれるのは、他でもない目の前にいるその毛むくじゃらの相棒だよ。それを忘れなければ、どんなことでもいつかは乗り越えられる。 |
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