砂の城
2007 / 11 / 23 ( Fri )
犬に苦手を克服させるには、慣らすことが大切だ。これはどんなしつけの本にも書いてあるし、トレーナーさんに訊けば、かならず同じ答えが返ってくる。

犬は慣れる動物だ。だから、どんなに嫌なことであっても、時間をかけてその嫌な環境に慣れさせてやれば、やがて犬はそれを嫌なことだとは思わなくなる。

たとえば子どもが大嫌いな姫は、うちに来た当初は、子どもが半径1m以内に近づいただけで大騒ぎだった。いまは、50cmの距離で子どもが通過しても姫はちゃんとオスワリしておとなしくやり過ごすことができる。子どもの数が10人ぐらいならば、姫はちゃんと耐えられる。だが、それが50人になると、やっぱり姫は吠えてしまう。

慣らす訓練に必要なのは、少しずつ限界値を上げていくことだ。まずは1人から始めて、距離を少しずつ詰めつつ、次は3人、次は5人とだんだんとレベルを上げていく。そこで一気に難度の高い挑戦をすると、せっかくの努力が却って水の泡になることもある。これくらいはそろそろいけるかな? という飼い主の読みが外れると、3歩進んだものが一気に後退して、マイナスになってしまうこともよくあるのだ。

姫にとって、独りでお留守番というのは非常に難度の高い挑戦だ。我が家に来た2年前は独りだろうが5万人が一緒にいようが、留守番することじたいが挑戦だったのだが、飼い主のたゆまざる努力と、おやつが一杯詰まったコングのおかげで、いつしか姫は他の犬たちと一緒ならばおとなしく留守番ができるコに成長した。管理人が会社に行くときは、姫はおとなしく玄関でお見送りをしてくれる。管理人が遊びに行くときも、たいていの場合は聞き分けよく後追いもしなくなった。だから、先日の競技会のときには、初めて独りでお留守番に挑戦させてみたのだ。まるっきり独りではないし、妹も親も猫たちもいるわけだから、半日ぐらいおとなしくしてることはできるんじゃない?

だがけっきょく、姫は管理人とカイがでかけていた8時間のあいだ、ずっと吠え続けた。

そう、管理人のミドルネームは玉砕だ。

ずっと吠え続けていたという問題行動に悩む前に、脳天気な管理人が感心したのは、8時間も吠え続けていたにも関わらず、姫の声がかすれてもいなかったことだ。

20071123a
ほんもののシンガーは腹の底から声を出すの。
咽をつぶすなんて、トーシロよ

まあ、ある意味8時間も吠え続けるっていうのはたいしたもんだ。ふつうならせいぜい3時間、たいていの犬は1時間も吠えれば諦めるものなんだが……

頭が痛いのは、この日を境に姫の吠え癖がふたたび復活したことだ。気のせいか、姫は以前よりよく吠えるようになった。競技会の直後、管理人が仕事で出かけたときには、姫はまたもや5時間吠え続けていたらしい。その日は、カイは置いて行ったにもかかわらず(ため息)

飼い主が、犬の限界値の見極めを誤ると、せっかくの積み上げた実績が土台から覆る。犬のお稽古って砂浜で作る砂の城みたいなものなのかもしれない。これで完璧、と思ったとたん、大きな波がやってきて、せっかく作った城を根こそぎ持っていってしまう。

あ〜あ、せっかく何時間もかけて造ったのに(涙)

波にさらわれるのが嫌なら、室内でぜったいに崩れないブロックでお城を造ればいいのだ。だが、砂浜で造る砂の城には、ブロックとはちがう、どうしようもない魅力がある。

だから、管理人はこりもせずにきょうも砂浜で城を造り続けるのだ。次の波が来る前に、とりあえず城壁だけは完成させておかなければ。この前は2重でも波にやられたから、こんどは3重の壕を掘ってみるか、とかあれこれ試行錯誤を重ねながら……

テーマ:わんことの生活 - ジャンル:ペット

16:50:46 | | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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