KY
2007 / 11 / 21 ( Wed ) 我が家は多頭飼いであるが、じゃあ一緒に住んでいる動物たちが、ものすごく仲が良いかというとそうではない。
ディーとカイは一緒に生まれた兄弟犬なので、もちろん世の中のなによりもお互いが大好きだったのだが、あとから我が家にやって来た姫の場合、仲良しというよりも、なんだかいつの間にか居ついてしまった同居犬というステータスからいつまで経っても前進しない。 別に喧嘩をするわけではなし、揉めるわけでもなく、ふだんはそこそこ巧くやっているので、管理人としてはとくに気にしてもいないのだが、犬猫を多頭飼いしたらみんなが仲良く身を寄せ合って眠るみたいな心温まる光景ばかりを期待する向きには、いちおう念のために忠告しておく。 一緒に飼っているからといって、必ずしも全員がとびっきり仲良くなるわけじゃない。人間どうしと同じで、動物にだって相性の良し悪しはあるし、たとえば性別がちがうと巧くいくとか、大きさのちがいとか、新しいコが来たときの年齢とか、成功する確率が高い組み合わせというのもあるのだが、けっきょく最後は個体の性格なのだ。世の中には、多頭飼いに向くコもいれば、向かないコもいる。 カイは、どちらかというともともと多頭飼いに向く性格だ。犬類みなきょうだいなバセットの血を引いていることもあって、ワサワサ犬がいることにあまりストレスは感じない。だが、それでも歳を重ねるごとにだんだんと犬見知りが出てきた。7歳を過ぎたころからは、露骨に新しい犬を家に入れるのを嫌がるようになったのだ。かといって、別に攻撃するとか、吠えて威嚇するわけではない。ただ、神経性の下痢になったり、餌を食べなくなったり、ストレスを感じていることがもろに体調に出てしまう。 姫もまた、じつは多頭飼いにむく犬だ。ビーグルというのも、元来群で狩りをする犬種だし、姫はたくさんの犬が周りにワサワサいる状況が大好きだ。姫の場合は、自分より身体の大きな、驚異を感じる犬以外は、どんなコであっても平気で受けいれるし、相手がなんと思っていようが、遊び仲間になろうとしつこく誘う。この異常にフレンドリーな性格が、ときとして災いする。相手が嫌がっているにもかかわらず、しつこく遊びに誘うせいで、逆に煙たがられてしまうのだ。 姫は、じつはカイのことが大好きで、自分たちは仲の良い群の仲間だと信じている。だから、基本的に一日中カイのうしろをついて回る。カイが廊下に行けば、一緒に廊下に出て添い寝。カイが管理人のベッドで寝ていれば、そこによじ登って一緒に昼寝。カイが、管理人のデスクのうしろの、一人がけのソファに寝ていれば、わざわざ狭いところに上がっていって、カイに露骨に嫌がられている ![]() だが、ディーやカイにどれほど煙たがられても、露骨に嫌われても決してめげない、そんな姫の鈍感力こそ、じつは姫の強みだなと管理人は思うのだ。あれだけ露骨に避けられたら、いまどきの人間なら「イジメだ!」とか大騒ぎするにちがいない。だが、姫は決してへこたれない。カイに唸られようが、無視されようが、平気な顔でカイにしつこくすり寄っていく。 ![]() だってアタシたち仲間ですもの、 ねっねっねっ! 「姫さんってしつこいんですよ。止めてくださいって言ってるのに、しつこく遊びに誘ってくるし」 そうだね、でもしょうがないんだよね。姫ってKYだから。 「ほんとに、姫さんってKYですよね。もろにKY」 ![]() 「KYってなに? あっ、そうか、 かわいい、やさしいってことね!」 ![]() あら、せっかく一緒に 仲良く寝てたのに、どこ行くの? ある意味、KYであることは、幸せなのだ。煙たがられても、吹きすさぶ冷た〜い空気のなかに座っていても、姫はまったくそれに気づかない。 ![]() なんでかしら? 気がつけば また独りぼっち 我が家の多頭飼いは、心温まる光景ではないが、まちがいなく笑える。そんな多頭飼い風景があっても、まあそう悪くはないだろう。 |
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