完璧な犬具ってこの世にあるのか?
2007 / 09 / 23 ( Sun ) 時たま見かける「犬が逃げちゃった」という事件。そういう話を聞くたびに、管理人はいつも思うことがある。
ぜったいに抜けない首輪やリードってこの世に存在するんだろうか? たとえば、焼き豚みたいに犬の縦横にぐるぐる紐を巻きつけて、ぜったいにどの方向からも抜けないようにしたならば、おそらくぜったいに抜けない犬具はできるとは思う。だが、毎日焼き豚みたいな犬を連れて散歩に行きたいかというと、管理人としてはやっぱり首を傾げてしまう。 管理人は個人的にチョーク首輪が一番抜けにくいと思っているが、これももちろん欠点はある。犬が動く方向とリードを引く方向が巧く合ってしまうと、意外なくらい簡単に首輪抜けができてしまうのだ。保護活動をしている人たちのあいだでは、ハーネスがわりと人気がある。たしかに、ハーネスだと二箇所を支える構造になっているので安全性が高いように見えるのだが、チョーク首輪のように状況によって閉める開けるができない分、犬が後ずさりしたときは、意外に簡単に抜けてしまう。とくに、毎回使用する前にきちんとサイズを直しておかないと、毎日使っているうちにハーネスってどんどん緩んでいくのだよ。で、目一杯緩んだ瞬間、たまたま犬が後ずさりすると、ほんとうにハーネスも一発で抜ける。つまり、管理人の知る限り、ぜったいに抜けない完璧な犬具ってこの世にはないんじゃないかなって思うのだ。 犬が首輪やハーネスを抜けて勝手に逃走してしまうケースには、大きく分けて2つある。ひとつは、何か興味のあるものを見つけて、前に走りだしてしまうパターン。この場合なら、よっぽど首輪やハーネスが緩んでいない限り、抜けることはまずありえない。なぜなら、首輪なら肩で止まるし、ハーネスでもよっぽど緩んでボロボロになっていない限りは前脚でしっかり止まるようにできているからだ。 問題は、犬が何かに怯えて後ずさりしてしまうパターンだ。これはものすごく厄介で、じっさい、管理人は前にポセを預かったとき、目の前でハーネス抜けの妙技を見せられてパニックしたことがある。 犬が怯えたとき、どんな体勢をとるかを知っていると、完璧な犬具が存在しないことがよくわかる。犬は、怖い目にあったとき、耳をうしろに寝かして頭を下げる。その瞬間に、たまたまリードを前方向に引いてしまうと、当たり前のように首輪でもハーネスでもつるんと抜けてしまうのだ。ヤバイと思った瞬間に、リードを後か上下に向かって引くことができれば、じつは犬具が抜けることはありえない。だが、一瞬のパニック状態で巧くリードをさばけるかというと、そんな人はめったにいない。じっさい管理人だって巧くできる自信はない。 もし完璧な犬具がこの世に存在しないとしたら、じゃあどうすりゃいいんだって思うよね。だが、じっさいは完璧な犬具、あるんだよ。ただ、店には売ってないし、お金を出したらきょうから完璧ってわけにはいかないのが難点なのだ。 管理人が考える完璧な犬具は、飼い主と犬との信頼関係だ。犬が、この人のそばにいれば自分は安全だと思えば、犬は決して逃げだしたりしない。たとえパニックして瞬間的に走りだしたとしても、落ちついたら必ず飼い主のところに自分から戻ってくる。だって考えてみて欲しいのだ。たとえば野生のオオカミや野良犬は、リードも首輪もつけてないけど、群で一緒に行動するでしょ? 誰にも強制されなくても、彼らは仲間と一緒にいたいのだ。もともと、そういう本能を持つ動物だからこそ、犬を逃がさないための最高に強力な犬具は、飼い主と犬との信頼関係だと管理人は思うのだ。むろん、それを築き上げるには時間がかかる。一夕一朝にできるものではない。だが、いったん絆ができてしまえば、よっぽどのことがない限り劣化もしないし買い換えも必要ない、まさに究極の完璧な犬具なのだ。 たとえば他人様のワンコをお預かりするとき、管理人は最初の数日ものすごく緊張する。もしいまリードを放したら、首輪から抜けてしまったら、こいつ戻ってこないだろうなと思うとそれだけで散歩が怖くてたまらなくなる。だから、管理人が新しい犬を家に迎え入れたときにまずやることは、犬に「この人、サイコー」って思わせることなのだ。たくさん名前を呼んでやって、振り向くたびに豪勢なおやつを振る舞ったり、一緒に遊んでやったり、とにかく犬が喜ぶことを徹底的にやりまくる。なるべく叱ることはしないように、ともかく犬に好かれることをまず優先するのだ。 うちの犬たちはいつも多頭で引いているが、新しいワンコは必ず一頭引きにする。これも管理人が必ず最初にやることだ。動きが予測できる犬たちであれば、多頭で引いてもまず問題はないが、何をしでかすかわからない新入りの犬の場合、多頭引きだと万が一のときに対処が遅れる。またきちんと犬の動きを見ていないと、ついうっかりという事故も起こりやすくなる。管理人のような素人だと、やっぱり多頭引きだと目配りが全員にはできないのだ。なので、最初のうちは新入りは一頭引き。この点については、管理人は決して譲らない。 たとえば、後ずさりして首輪抜けやハーネス抜けの事故が起こりやすい恐ろしくビビリのコが新しい家にもらわれていったとする。ビビリのコというのは環境が変わるだけで周りのすべてが恐ろしいので、ほんらいならば最初のうちは散歩なんか行けないのが当たり前だと思うのだ。まずは家のなかに慣れて、飼い主の一家に慣れて、玄関まで行くことに慣れて、庭に出られるようになって、そのあとようやく門から外に出られるようになる。散歩に出られるようになるまで数ヶ月かかっても、それは当たり前だと管理人は思うのだ。まあトイレが外でしかできないコであれば、庭かほんとうに家の近所だけをトイレ散歩に連れて行って、用が済んだら家に即行帰りでも最初のうちは良いのだよ。少しずつ距離を伸ばして、新しい場所に慣らしてやって、そういう工程を踏みながら、同時に犬との信頼関係を作っていく。犬は慣れる動物だから、ほんの少しずつでもそれを毎日繰りかえしていけば、いつかは散歩に出られるようになる。そういう地道な工程を踏んでいけば、散歩に出られるころには、飼い主と犬とのあいだに絶対的な絆が生まれ、万が一首輪やハーネスが外れてしまっても、犬は人間のそばから離れない。 犬のトレーニングといえば、オスワリだとかマテだとか色々やることはあるけれど、何があってもぜったいに教えておくべきなのは、呼んだらすぐに戻ってくる、呼び戻しなのだと管理人は思っている。たとえばお手だとかフセだとかはできなくたって別にふだんの生活では困らない。ただ呼び戻しだけはきちんと教えておけば、結果的に犬の命を守ることになる。そして呼び戻しだけは、どんなダメ飼い主であっても、ぜったいに教えられるものなのだ。 どんなに大金を出しても、究極の抜けない犬具、壊れない犬具を手に入れることはほぼ不可能だ。でも一銭も欠けずに手に入る究極の犬具なら、どんな飼い主と犬のペアでも、手に入れられる可能性があるのだよ。ちょっとした練習とたっぷりの愛情さえあれば、たぶん誰にでも手に入る。だからこそ、呼び戻しの練習だけは、皆さんしっかりやりましょうね♪ |
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