留守番狂奏曲
2007 / 03 / 24 ( Sat ) 昨晩からカイの前脚の具合がおかしい。いちおう散歩には喜んで行くのだが、ピョコピョコとびっこを引いて歩いている。去年の秋にも一度そんなことがあって慌てて獣医に駆け込んだのだが、そのときは車を降りたとたんにふつうに歩き始めてけっきょく何が原因かはわからなかった。
そこで今回は半日ほどようすを見ることにしたのだが、やはりまだ微かに脚を引きずっている。カイはもう8歳の老犬で身体のあちこちにガタが来てもおかしくない歳なので飼い主としては心配でたまらない。 で、夕方獣医の午後の診療が始まったらさっそく診てもらいに行ったのだが、ここでひとつ問題があった。現在姫はヒートの真っ最中で、一緒に病院に連れて行くわけにはいかないのだ。 姫はいわゆる「分離不安」を抱えた犬だ。元捨て犬という経歴を考えるとそれほど珍しいことではないのだが、我が家に来た当初は、管理人が出かけるたびに1キロ四方に響き渡るような声で絶叫を繰りかえしていた。いまはようやくおやつをもらって仲間の犬と一緒にいるかぎりはおとなしく何時間でも留守番ができるようにはなったのだが、今回のようにカイだけを連れて管理人が出かけるような事態にはまだ対応できていないのだ。 じっさい、昨晩管理人は友人と夕食を食べに出かけてしまったのだが(姫に疑われないよう会社に行くようなスタイルで出かけたのはいうまでもない)カイの調子が悪かったので、姫は犬部屋に閉じこめ、カイは廊下で自由にさせておいたところ、もらったコングの中身を食べ終わった直後、犬部屋のドアを突き破って廊下に飛びだし、玄関と廊下に3カ所も抗議シッコをまき散らしたらしい。 その直前、短いながらちゃんと散歩に連れて行き排泄も済ませているにもかからわず廊下でシッコをするのは、姫さんお得意の抗議行動なのだ。ちなみに姫はトイレで排泄すべし、という基本的な約束事はちゃんと理解している。管理人がいれば廊下に出していても、したくなれば部屋に戻ってちゃんとトイレでできるのだ。 むろん、管理人がいるということは姫がトイレでシッコをするたびに盛大に褒めてやるということだし(他の家人はついついそれを忘れるのだ)姫がわざわざトイレに行く気が失せるのもわからないではないのだが、かといってしょっちゅう家中に水たまりを作られるのも困ってしまう。とくに外出から帰ってきたとたん「きょうの姫は○○だった」とさんざん文句を言われるのは非常に気分が悪いものだ。 というわけで、きょうは新たな技を試してみた。まず、姫さんには管理人の外出中、おとなしくクレートに収まっていただく。ここまでは以前もやってみたのだが、そのクレートを人気のない管理人の部屋に置いていくとけっきょく出かけているあいだじゅう吠えて暴れてたいへんなことになるのはわかっている。 そこで、きょうはクレートのメッシュ越しに茶の間でテレビを観ている家人の姿が見えるキッチンにクレートを置き、騒いだら完全無視、おとなしくなったらここに置いたおやつを順番にやるように、と家人に申し渡して出かけてみた。 結果、この作戦は大成功だった。 クレートに入れられることは姫としてはあまり好ましい状況ではないが、すぐそばに人がいて、たまに猫が通過したりする環境なら寂しい、置いていかれたといういつものストレスは軽減されるようだ。そのうえ、おとなしくしていると次々おやつが降ってくるという状況は姫にとってはそれほど悪くもなかったらしい。 けっきょくカイの脚の痛みは軽い関節炎だろうという結果が出た。何枚もレントゲンを撮り、つぶさに観察したのだが(何しろきょうだい犬のディーが癌にかかっているので骨肉腫が一番心配だったのだが、その徴候はまったくなかった)たぶんヒートの姫に興奮してふだんの数倍激しく遊んでいたせいで前脚に過度の負担がかかったのだろうということで決着した。で、検査やなんやでけっきょく2時間近くかかったのだが、家に着いても覚悟していて姫の絶叫はまったく聞こえなかったのだ! むろん、まったく騒がなかったわけではない。最初のおやつをやって管理人が出かけてしまったあと、しばらく(10分)くらいはギャーギャー騒いで何とか鍵を開けようとメッシュのドアをあれこれいじくり回していたらしい。だが、いくら騒いでも何も達成できないと悟った瞬間、姫はいつものようにあっさり諦めておとなしくなった。その後言われたとおり家人がおやつを入れてやったところ、あとは機嫌良く次々もらえるおやつを食べて静かに留守番していたらしい。 2時間も留守番をさせていたにもかかわらず、置いていった大量のおやつの一部はそのまま残っていた。これは姫にしてはかなり良くやったといわざるをえないだろう。 世間の常識に照らし合わせるとまだまだ問題多しの姫ちゃんだが(何しろ基本的なクレートトレーニングもできていないわけだし)でも、昨日よりはずいぶん進歩ということで、自分の策がまんまと術中にはまってきょうも満足している管理人である。 |
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