リスクと責任
2007 / 03 / 18 ( Sun )
生殖可能な雌を飼う以上、望まない妊娠を防ぐために繁殖期に交尾させないだけではなく、周りに対するさまざまな気遣いが必要になる、ふだんの散歩でもコースを変えたり、他の犬と会わないように時間帯を調整するなどヒート中の犬を飼う飼い主に必要なマナーというものがある。ヒート中の犬はマーキングも増えるし、尿の臭いも強くなる。ゆえに色々と気づかいが必要になってくるのだ。たとえば他の犬と接触することで犬どうしの喧嘩なんて事態も起こりえる。手術をしない犬を飼うということは、妊娠させないという単純なひとつのことだけではなく、他にもいろいろたいへんなことが多いのだ。

ちなみに♀の場合はヒートの時期だけで済むのだが、これが♂犬となったらそれこそ年間365日が繁殖期だ。去勢していない♂犬の場合、他の♂犬とのライバル関係が一生続いていく。自分の遺伝子を残すというのは動物の本能なのだからいたしかたないとはいえ、彼らの多くは常に他の♂犬と張り合って生きていくことになるのだ。とうぜんマーキングも多くなる。犬を飼っていない人の目から見ると、どちらも同じシッコだが、犬の排泄とマーキングはまったく意味がちがうものだ。早い時期に去勢手術を終えてしまうと、排泄だけでマーキングはしないコが比較的多い。なぜならマーキングの場というのは犬たちにとっての一種の出会い系サイトだからだ。

「犬猫屋敷姫でぇ〜す! 彼氏募集中なの♪ メッセージ残していって(^o^)」

「山田ポチです。5丁目を仕切ってるのはオレです!」

「いや、5丁目の番長はオレだ! あっ、魚屋の隣に住んでるシロっていいます」

ライバルの書き込みがあれば、どうしてもそのうえに自分のメッセージを書きこまずにはいられない。家のなかや庭やいつも行く公園でも、自分のテリトリーを主張せずにはいられなくなる。

この時期、どうしようもなく魅力的なヒート中の♀犬の臭いを嗅ぎつければ、どうしてもその場に駆けつけずにはいられなくなる。そうなると飼い主のコマンドなどまったく耳に入らないし、ふだんはおとなしくてよく言いつけを守るコが、野生動物と化してリードを噛みきって脱走したり、雌を巡ってライバル達と死闘を繰りひろげることもある。

以前、BBQを姫のヒートで延期したとき、来る犬はみんな手術したコばかりだしべつに連れてきてもいいんじゃない?という意見もあった。だが、ヒート中の犬を連れて犬連れの集会に行くような真似は、ぜったいしてはいけないのだ。手術をしていても犬の本能が完全に消えたわけではない。同性どうしの争いや周りの犬が落ちつきをなくすなど、正直ヒート中の犬が1頭いるだけで、その場はなにが起こるか判らない事態になる。多頭飼いであれば、一緒に住んでいるコたちにも少なからず影響は出る。ツチノコ兄弟は1歳を過ぎてから手術をしたので、ちゃんとヒート中の姫の臭いに反応してしまうのだ。おかげで姫のヒートのあいだ、我が家は大型犬が家具をひっくり返して家中を駆け回る大騒ぎが繰りひろげられる。

ちなみにヒートのあいだは、2年がかりのトレーニングはいったい何だったんだと哀しくなるほど姫はコマンドに従わない。散歩に行けば好き勝手に臭いを追って引っぱりまくるし、家のなかでもふだんの数倍トイレの失敗率が上がってしまう。常に興奮状態なので吠え声も通常の3倍程度うるさくなる。つまりヒートの時期の姫は、まさに野生動物と化してしまうのだ。

だが、手術をしていない犬の飼い主の中には、こういったリスクをまったく知らない人も多い。パンツをはかせているからいいでしょうとヒート中にもかかわらず平気で犬連れで旅行に行ったり(同じホテルに泊まりあわせてしまった他の飼い主さんにとっては大迷惑だ)ドッグランやら犬がたくさんいる公園にヒート中の犬を連れて行ったり、カフェにそういう犬を連れて入ったり、最低限のマナーをわきまえない飼い主もじつはたくさんいる。

手術をしないなら、生殖可能な犬を飼う場合のマナーというものがある。それが守れないのなら、やはり手術は必要だ。手術をしないという決断には、それに伴う責任とリスクがある。根拠のない迷信や、うわさ話に流されてかわいそうというだけで手術をしないというような簡単なことではすまされないのだ。

先日、犬を飼っている友人のひとりからメールが来た。最近、飼い犬に生殖器系の病気が見つかり、その治療と同時に手術をすることに決めたという。おせっかいな管理人のことだ、むろん彼女が犬を飼いはじめてすぐ不妊去勢手術のメリットについてとうとうと話して聞かせたのはむろん言うまでもないことだが、けっきょく彼女は手術をしないと決めていた。幸い望まれないコが産まれてくることもなかったし、いままでは繁殖期に困ったこともなくこれまで過ごしてきたのだが、今回、病気が見つかったことで、いろいろと思うところがあったようだ。

はじめは受け入れがたかったことも犬を長く飼って色々なことを知ると必要なことだと理解できます。今後新たに犬を飼うときは迷うことなく避妊手術すると思います。

管理人は、正直これが一番だと思うのだ。身をもって感じ、納得した上で判断すれば、それはその人の信念になる。

だから、管理人としてはあえてぜったいに手術をすべしと言うつもりはない。だが、情報を集め、正しい知識をもとにしてそれぞれの飼い主が納得した上できちんとした判断を下して欲しい。それは、生殖可能な動物を飼う以上、すべての飼い主が負わなければならない責任なのだから。

♪♪ぜひ、ご一読を!♪♪

犬の生殖活動については宗谷動物愛護推進委員の日記のなかに、詳しく判りやすい説明が書かれています。こちらからのリンクで見に行ったわんずているさんのところにあった不妊手術に関するレポートちょっと難しいことも書いてあるけど、判りやすくて管理人のお薦め!

テーマ:わんことの生活 - ジャンル:ペット

13:14:58 | 管理人の独り言 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
| ホーム |