飼い主バカならうなずく一冊
2007 / 03 / 11 ( Sun ) きょうは最近管理人が読んだお薦め本の話。
たまたま犬関係の本の一覧を見ていて衝動買いした中のヒット作がこの本だ。 題名を見てもわかるようにこの本のテーマは、いかに犬に対して飼い主バカになれるかだ。「犬バカ度を測る10の方法」という題名はついているが、別にチェックリストがついているわけではなく、内容は単なる飼い主バカのエッセイである。だが、この飼い主バカ、そんじょそこらの飼い主バカとはレベルがちがう。 はっきり言って犬を飼ってない人の目から見ると、この飼い主夫妻は完璧に頭がいかれている。ゆえに、犬飼いの目から見ると腹を抱えて笑わずにはいられない。 彼らの愛犬ウェンデルは、他人から見れば単なる犬だが、夫婦にとってはとうぜんのことながらわが子である。ゆえに誕生日にはケーキを用意し(犬飼いならばとうぜんだろう)、お友だちを呼んで誕生日パーティーを催し(何が悪い!)水泳教室に通わせ(泳げなかったのは先生の指導の仕方が悪かったからに決まっている!)クリスマスにはパウマークで飾ったクリスマスカードに欲しいプレゼントのリストを添えてサンタさんにお手紙を出す(わが子にプレゼントが届かなかったらどうするつもりだ!)。 ここまでは、ごくふつうの犬飼いとしてとうぜんやることばかりだろう(←すでに一般常識からかけ離れている点はこの際無視)。だが、殺鳥事件の犯犬となったわが子の犯行を隠すため、夜中に夫婦揃って黒装束で死体の処分に向かうくだりや、迷子ポスターをスーパーで見かけ、もしもわが子が迷子になったらと思っただけでパニックを起こし、さっそく迷子札をあつらえたはいいが、とても1枚には思いのすべてを書ききれず、けっきょく迷子札を6枚も作ってそれをじゃらじゃら犬に下げさせているところはさすがの管理人も唖然とした。 さすがに本を出すほどの犬バカは筋金入りの犬バカである。 あまりのくだらなさに呆然とはするのだが、他人から見るとたかが犬を家族に持つものには、多かれ少なかれその気持ちがわかるのだ。だから、くだらない、何やってんだこのバカ夫婦と思いつつも、ついつい引き込まれてしまうのだ。 この本がおもしろいのは、筆者がそうとうの犬バカでありながら、犬バカである自分をどこか冷静に見ているからだ。たしかにウェンデルはまさに彼らの子どもなのだが、犬を変に擬人化してわけもなく高価なものを買い与えるだけで満足している妙な飼い主とはひと味ちがう。飼い主自身が犬を喜ばせたいと心から思っているから、その奇妙な行動も微笑ましく見えるのだ。 各章の終わりに「犬バカの10種族」という典型的な10パターンの犬飼いについての短いコラムがついているのだが、これがまたおもしろい。いるいる、こういう飼い主!とばかりに日本もアメリカも犬飼いは同じだと思わず声をあげて笑ってしまう。 読んでもとくにしつけの勉強にはならないし、この本から得るものなどおそらくなにもないだろうが、犬にまつわる暗い話が多い昨今、ちょっとめげた気分のときにはぜひ手にとって欲しい一冊だ。 |
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