食の鬼
2007 / 01 / 31 ( Wed ) 先日のドッグラントレーニングの際、管理人はいくつかの課題を考えていた。
1.姫さまの興奮吠えを極力抑えるべく努力する 2.呼んだらどんなときでも即座に戻ってこれるよう、呼び戻しを強化する 3.子ども嫌いを克服する 4.管理人が走らないですむようにする で、どれもこれも、案の定中途半端に終わったわけだが、とくに2の呼び戻しに関しては、あれこれ試行錯誤が続いている。 姫さんは現在、我が家の庭でフリーにしているときはとうぜんのことながら100%呼び戻しが効く。散歩の途中で、万が一リードを落としてしまったような時でも、まずまちがいなく呼べば戻ってくる。ドッグラン内でも、おやつを使えばおそらく問題なく戻ってくるのだが、ふつうドッグランというのはどこでもおやつ禁止が原則である。ゆえに、おやつがなくてもいつでもどこでも戻ってこられるようにしなくてはならない。 姫が、なぜドッグランだと呼び戻しが効かないか、その理由はじつは明らかなのだ。広いところで自由に駆け回れる楽しさと、管理人を天秤にかけると、管理人があっさり負けるのだ。ゆえに、管理人のそばに戻るより、自由に走っていたほうが楽しいと姫が思い続けているかぎり、いくら呼んでも姫は満足するまで管理人の元へは戻ってこない。 というわけで、先日のドッグランでは、じつにクラッシックな「戻ってきたほうがお得よ」キャンペーンをやってみた。 楽しげに走っている姫を、途中何度も呼び止める。戻ってきたら、よく褒めてやってリードをつけていったん柵の外に連れ出す。そこで姫の大好きなレバーを振る舞って少し休憩してから、柵内に戻って、また好きなだけ走りまわらせてやる。 それを繰りかえすことで、呼ばれたら美味しいものが食べられて、なおかつその後もう一度楽しく走りまわれるということに姫が気づけば、ハウンド系姫の思考とすれば、そっちのほうがお得だし呼ばれたら行っちゃおうってことになるはずなのだ。 とは言っても、一度や二度そんなことをしただけですぐに戻ってくるはずはなし、先日のドッグランでは、前回より多少打率が良かっただけに留まったし、今後もあちらこちらのドッグランに出没しては、この方法を続けていくしかないのだが、それはともかく、そうやって柵の外で我が愛犬たちにレバーを振る舞っていたとき、柵の向こうから痛いくらいの視線を感じた。 振り向くとそこには、グレちゃんをはじめとするバセットトリオが、鼻をひくひくさせながら柵にしっかりへばりついていた(汗) さすがはとびきり臭覚が発達したバセットの皆さんである。さっきまでドッグランの向こうはしで追いつ追われつの追いかけっこをしていたはずが、柵の外から漂ってくる牛レバーの美味しそうな臭いに誘われて皆さん一斉に柵の近くに集合してしまったのだ。 彼らの真剣なまなざしが語るところは明らかだった。 「あの美味しそうなレバーを食べなくてはならない!」 そのレバー「ください」でも「欲しい」でもないのだ。あんな美味しそうなものがある以上「食べなくてはならない」。そこには、皆さんの食へのこだわり、信念みたいなものを感じた。 さすがは食の鬼、バセットの皆さんだ。走るよりも、遊ぶよりも、アンタたちはほんとうに食べることが生き甲斐なんだねぇ〜 そういえば、ふだんは何ごとに対してもぜんぜんやる気のないカイさんもレバーを見ると俄然張り切る。きょうは管理人がレバーを持っているとわかったときのコマンドに対するレスポンスの速さは呆れてものもいえなくなるくらいなのだ。 できるんなら、ふだんからちゃんとやれっちゅうの! これってほんとうにバセットの血なんだな、と柵にへばりついて何とか念力でレバーを手元に吸い寄せようとしているバセットトリオの熱い視線を見ながらつくづく思ってしまった。 姫も、もちろん食に対してはそうとうのこだわりがある。だが、子どもが怖くてパニックしたり、何かの具合でスイッチが入ってしまってぎゃん吠え状態になってしまうと、いくら目の前にレバーをちらつかせても食べ物など目に入らなくなってしまう。意外なことに、オスワリもフセもほとんどおやつを使わずに褒めるだけで教えることができた。裏を返せば、いくら大好きなおやつを前で振ったとしても、姫は自分がやりたくないと思ったことは頑としてぜったいにやらないと拒否するのだ。 同じような食の鬼の犬種であっても、そういう微妙な個体差がおもしろいな、と管理人は思う。 帰る前、渋滞すると困るのでいちおう念のためと、犬たちを車に入れて管理人はトイレに行った。戻ってくると、後部座席に積んだはずの姫が、なぜか助手席に座っている。口には、Amigoさんからいただいたローハイドガムをしっかりくわえて…… 何やっとんじゃ、おのれは!!!!! さんざん走って、その後長いお散歩までしたせいで姫はとてもお腹が空いてしまったのだ。管理人がトイレに行った隙に、何か食べるものはないかと探してみた。むろん、助手席には管理人のおやつ(飴とかクリームパンとか)も散乱していたのだが、そのなかに自分用のおやつが袋に入って無造作に置かれてあるのを発見した(ぜったいに盗み食いされそうなレバーやジャーキーはちゃんと封印してあったので無事だった)。身軽な姫さんは、さっさと座席の背を乗り越えて助手席に移り、ガムをとりだし口にくわえたところで、管理人が戻ってきて現行犯逮捕されてしまった。 ガムをくわえて情けない顔をしている姫を見て、思わず大笑いをしたあげく、そばにいた越後屋を呼んで誇らしげに見せてしまった。 盗み食いはいけないことだし、笑ってる場合じゃないんだがね。 こんなことだから、うちの犬はいくつになっても悪戯を繰りかえすダメ犬なんだよね。 でも、まあいい(←あいかわらず立ち直りが早い)。こういうことがたまにあるのも、生き物を飼う楽しみのひとつだ。ちなみに、きちんと後部座席でおとなしく管理人を待っていたカイにしても、座席の背を乗り越える身軽さと勇気さえあれば、まちがいなくガムのお相伴にあずかっていたはずだ(飼い主の自信)。 食の鬼である犬たちと暮らす人間は、いつでも注意深くあらねばならない。食べ物を収納するためのフードストッカーを車のなかにも設置したほうがいいかもしれない(大汗)。 |
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