Are you ready?
2006 / 11 / 24 ( Fri ) 熱で寝込んでいるあいだに、ディーの夢を見た。
とはいってもディーが元気だった頃の話ではなく、すでに夢のなかでもディーは死んでしまっていて、その遺骨を巡る冒険活劇みたいなものすごく妙な夢だった。なんでこんな奴が出てくるんだ? と思うような妙な配役で(たとえばトム・クルーズとか?)ともかく奇妙という以外感想がない夢だったのだが、最後にクローンのようにディーにそっくりな犬が10頭ぐらい出てきて、でも見た目はそっくりでもあれはディーじゃないんだ、ディーはもうこの世にいないんだ、と哀しくなったところで目が覚めた。 ディーはもともと雑種なので、ほんとうにそっくりな犬というのはこの世に存在しない。ふつうの人の目から見ると、カイはたしかにディーの色違いに見えるだろうが、飼い主の目から見ると、骨格もコートも、耳や目の形もまったくちがって、2頭はまったく似ていない。きょうだい犬のなかにはディーと見間違うほどそっくりのコもいるのだが、それでもディーという犬は死んでしまったあのコだけで、二度とディーと同じ犬に巡り会える日はもう来ないのだということを、奇妙な夢のなかで思い知ったような気がする。 ディーの死後、ゴールデンのハルちんがうちに遊びにやってきた。ハルはディーの母犬と同じ白っぽい色のコートなので遠目に見るとディーと同じ色に見えたのだろう。庭でハルとうちのコたちを遊ばせていたところ、ふだんは人見知りの激しいじぃじが乗って帰ってきた自転車を置くのもそこそこに庭にぶっ飛んでやってきた。 「ディーが戻ってきたかと思った!」 ふだんは、これ以上動物を増やすのはどうのこうのとブツブツ言うジィジだが、あの時期、もしディーによく似た毛色をしたゴールデンかゴールデンMixのコを連れてきたら、おそらく二つ返事で我が家で飼うことが決まったことだろう。ジィジもジィジなりにディーを溺愛していたのだ。 以前、保護団体のお手伝いをしているとき、愛犬を亡くした直後で(たしか1ヶ月ぐらい前と聞いたような気がする)また犬を飼いたいので、死んだコによく似た犬を探しているというお客さんと話をしたことがある。保護団体側の立場から言えば、条件に合致した理想的な飼い主さんではあったのだが、前の犬に比べると色がどうの、耳の形がどうの、と言っているのを聞いて、管理人は何となくしっくりしないものを感じてしまった。 けっきょく、これは、と思うコは見つからず彼女は肩を落として帰っていった。「これからもどんどん保護されるコは出てきますし、他にも色んなレスキューグループがありますから、ネットなどで調べて、ぜひこのコだというお気に入りの1頭を見つけてくださいね」帰り際に、そう言葉をかけたのだが、けっきょく彼女がそれからどうしたかは判らない。ただ、前の犬に似ているというだけで飼いはじめ、あとでちがった、失敗したと後悔していないことだけを祈るばかりである。 管理人が生体販売をしているペットショップ撲滅運動を繰りひろげているのは、親犬やきょうだい犬と一緒にいるべき月齢に1頭だけ引き離されてガラスケースに入れられるパピーが哀れでしかたないというのもあるのだが、衝動的に犬を手に入れられるというシステムに不安を覚えるからに他ならない。感情にまかせて犬を家族に迎え入れ、けっきょくは飼えなかったと手放す輩があまりに世間に多いのにうんざりしているせいもあるかもしれない。 管理人は、感情にまかせて犬を手に入れるのはまちがいだと思っている。それは可愛いであっても可哀想であっても同じことだ。感情というのはそのときの一瞬のものであって、ただ可愛い(可哀想)だけで飼いはじめた犬は、その後10年以上飼い主のそばで暮らしていかねばならぬのだ。衝動的に飼ったとしても、飼っているうちに愛情が湧いてずっと可愛がっていけるのならいいのだが、そうではないとけっきょく手放されて放棄犬となったり、飼ってはいるが、いるから仕方がないとおざなりに世話をされるだけになってしまう。それは、飼い主にとっても犬にとっても、非常に不幸なことだと思う。 管理人がせっせと成犬譲渡推進運動を進めているのはそのためで、可愛いいまの一瞬が勝負のパピーとちがって、成犬になると時間の単位が長くなる。ゆえにもらおうか、と検討を始めてじっさい引き取りに行くまでのあいだにその犬を飼うメリットデメリットをじゅうぶん吟味できるのだ。よく考えた末もらったコは、やはり当たりはずれが少ない。統計をとったわけではないのだが、パピーから飼った場合より成犬をもらうほうが保護団体への返却率もぜったいに少ないと管理人は思っている。 ふと思い返せば、きのうはディーの月命日だった。半年経って、ようやく管理人のなかでディーをきちんと見送る覚悟ができたのかもしれない。 管理人はディーのような性格の犬は大好きだし、ああいう長毛種のむくむくしたぬいぐるみみたいな犬が好みなので、もしかするとまたディーにそっくりのコを飼いはじめるかもしれない。だが、見た目や性格にディーとよく似たところがあったとしても、そのコはディーの代わりではなく、新しく我が家に来るまったく別の個体なのだ。 そう心の底から思えるようになったとき、次のうちに来るべきコを迎え入れる準備が整ったのかもしれないないな。奇妙な夢から覚めたあと、管理人はそんなふうに思っている。 |
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