管理人のうわごと
2006 / 11 / 23 ( Thu ) 久しぶりに風邪を引いた。
数日前から咳が出て、夕方になると熱が出る。幸い祭日が入ったせいで二連休だったため、栄養のあるものを食べては寝腐る生活をしたせいか、少しずつ良くなってきているようだ。 人間、具合が悪いときは何時間でも寝られるのが不思議である。そういえば犬も調子が悪いときは、やたらと丸くなって寝ているが、身体を休めることで体調を健康な状態に戻して病気を跳ね返すというのはほんらい動物が持っている自然治癒力という奴なのかもしれない。 寝る前に葛根湯でも飲んでおくか、と家の薬箱をあさりにいったところ、たまたま、ばぁばが起きてきた。管理人が薬をあさっているところを見て、案の定いつもの説教が始まった。 「や〜ね〜、風邪引いたの? 困るわ〜 なんで風邪引くのよぉ〜」 べつに管理人だって好きで風邪を引いたわけじゃない。鬼の霍乱ってこともあるだろうが。 「寒くなってきたのにちゃんと布団をかけて寝ないからいけないのよ」 管理人は数日前から、ちゃんと4シーズン対応の優れもの寝袋(もちろんNASAが開発した新素材でできている)にくるまって寝ているさ。下手な布団とちがって毎晩ぬくぬくしているのに、それでも風邪を引くときゃ引くんだよ。 「それに夜更かしもするし。食事もちゃんととらないから。だいたいアンタはむかしから生活が不規則だから云々かんぬん……」 我が一族は幸いガン家系ではないのだが、万が一ガンになったらまちがいなく早期発見は無理だな、と管理人はつくづく思う。ばぁばにグジグジいわれるのが嫌さに、誰もが痛みや辛さを限界までこらえる習慣がついてしまっているからだ。病気になって熱でふらふらしているときに、なぜそういうことになったのか原因をあれこれ言われて小言を聞かされるほどウザイことはない。いまはとにかく薬を呑んで、寝袋にくるまってぬくぬく眠りたいのだ。 ちなみに、ばぁばが風邪を引いたときは、必ず正当な理由があると本人は主張する。親戚の○○おばちゃんが風邪を引いているのにうちに来たとか、電車で隣に座ったおやじがやたら咳をしていたとか。自分の場合は常に他人から遷されたにもかかわらず、他人が風邪を引くと生活習慣云々言い出す思考回路のおめでたさには、長年のつきあいながら呆れてものも言えなくなる。 管理人は医者が嫌いでめったに病院には行かないのだが、医者を敬遠するものまた同じ理由からだ。熱があってふらふらしているときに、○○したからいけないなどと延々説教を聞かされると、ただでさえ病気で辛いのにその場で天に召されたい気分になる。 だから管理人は自然治癒力に頼るのだ。幸いもともと丈夫なせいか、いままではたいていこれで治してきた。 犬の問題行動に悩んでトレーナーさんの元に駆け込む飼い主さんも、やっぱり同じ気分なんだろうな、と管理人は思っている。問題があるのは判っているし、その理由の多くが自分の飼い方に起因するというのも判っていても、それをわざわざ指摘されに行くのは気が重いという気持ちになるのだろう。他人のブログなどを読んでいると、これ、明らかにまずいっしょ? と思うことを平気でやっている人も見かけるし、そういう人に限って、その点を指摘されると、我を忘れて怒り狂う。そうとうまずい問題行動を抱える犬を飼っている人に限って、問題などない振りをしようとするのが常なのだ。 だが、残念ながら犬の問題行動だけは、虫歯と一緒で早いうちに処置しないとどんどん悪くなるだけなのだよ。もうダメだ、と医者に駆け込むときには、手のつけられない状況になっていることも多いのだ。 管理人はプロのドッグトレーナーに知りあいはいないので、こんな人がお薦めと名指しで紹介することはできないが、アメリカのドッグトレーナーの本を読んでいて、こういう人が理想だな、と思うトレーナー像みたいなものは持っている。日本のトレーナーというとまだまだ競技会用の犬や警察犬を育てる訓練士(アメリカでいうobedience instructor)が一般的だが、、ほんとうに困った多くの飼い主さんが必要としているのは、犬の問題行動専門家(dog behaviorist)のほうだろう。服従訓練というのは、たしかに犬の問題行動解決のもっとも一般的な手段ではあるが、かといって唯一の手段かというとそうではないと管理人は思っている。単純に言うと、obedience instructorは服従訓練を通して問題行動を直すのが仕事だが、dog behavioristのほうはいわばカウンセラーの役割を果たす。飼い主の話を聞き、犬と飼い主のようすを観察して、問題点を見つけだし、対処方法を決めて、必要ならばそれに対処できるobedience instructorやときには獣医(遺伝性の疾患が問題行動の原因になっていることもあるからだ)を紹介する。 日本ではdog behavioristという職業はまだ確立していないので、問題行動を専門とするドッグトレーナーさんがこの両方の役目をになっているのが実態だ。厳密に言えば、競技会やサービスドッグ専門のトレーナーさんとは別物なのだが、問題行動=トレーナーさんにつきないさいというと「うちはべつにオスワリやお手をさせたいわけじゃないから」とトレーニングに拒否反応を示す飼い主さんがわりと多いのは、残念なことだと思うのだ。 管理人自身、トレーナーさんにつかずに何とか自力で問題を解決してきたので偉そうなことは言えないが、やばいことになりそう、でも見ない振りしている飼い主さんに対しては、良いトレーナーさんを見つけて、ぜひプロに相談なさい、と管理人は勧めたい。たしかに管理人は自力で何とかしたが、けっきょく素人のやることなので何とかなったというレベルだし、やはり恐ろしく時間がかかってしまった。ほんとうに良いトレーナーさんに巡り会えていたら、きっとこの半分の時間でもっと成果が出ただろうな、というのはつくづく思うのだ。 dog behavioristは心理学カウンセラーと一緒で、相手を知り、状況を把握して、良い方向に導いていくことを仕事としている。むろん、最終的には問題点を指摘する形にはなるのだが、その犬と飼い主にあったトレーニング方法をアドバイスすることが役目なのだ。だから、いきなり「あなたは犬の群のリーダーになれていないから問題が起こるのです。強く対処しなさい」というだけではdog behavioristとしては失格なのだ。 前に読んだ本におもしろい話が書いてあった。アメリカで活躍するdog behavioristが、クライアントの家に行き、さまざまな質問をしているとき、「で、夜、犬はどこで寝ていますか?」と訊くと、ほとんどの飼い主が、申し訳なさそうに「ベッドで……わたしたちと一緒に?」と上目遣いでこちらを見る、と言うのだ。 犬をベッドやソファにあげてはいけない。これはアメリカでも一般的に言われている犬のしつけ方法である。問題犬を飼っている飼い主さんは、そんなことを言ったら怒鳴られるとでも思っているのだろう。 だが、じっさい犬と一緒に寝ている飼い主なんていくらだっている。ベッドで一緒に寝たから問題犬になるのなら、世界中が問題犬のオンパレードになってしまうはずだ。ベッドやソファに犬を上げないというのは、土足文化の国では象徴的な意味があって、飼い主が主導権を握って、ここは入ってはいけない部分、ここはOKとわけるのに判りやすいからやっているだけで、たとえば日本なら洋室はお出入り自由、ただし畳の部屋は不可なんてことでもいいはずなのだ。 ところが一般の飼い主はベッドで一緒に寝たからうちの犬はアルファになった、と思いこんでしまう。じっさい、そういうことを平気で言うベテラン飼い主やトレーナーも多いのだ。 だが、管理人は犬と一緒に寝たいのなら、みんなで一緒に寝なさいと言いたいし、ほんらい、優秀なdog behavioristであれば、一緒に寝てもかまわないから、他にけじめをつける何かを作りなさいとアドバイスするものだと管理人は思っている。 ともかく、トレーナーさんもいまや星の数ほどいるし、そのなかで、自分と愛犬にぴったりの良いトレーナーさんに巡り会えれば、ほんとうの意味でお悩み解決の糸口が見つかるだろう。だから、ひとりでこっそり悩んでないで、問題を見ない振りなどしないで、ほんとうに困ったときは、きちんとしたプロに相談しなさいと管理人は言いたいね。これはちがうと思ったら、次の人に相談して、そんなことを続けているうちに、そのうち正解はきっと見えてくる。 |
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