墓場
2006 / 11 / 20 ( Mon ) 我が家には犬グッズの墓場がある。
「これひとつで、お悩み解消!」 「あんなにひどかった引っぱり癖が、嘘のように治った!」 てな広告の文句に踊らされ、ついつい購入してしまった矯正グッズの数々がひっそりと眠っている場所なのだ。 管理人は犬飼い歴十数年を誇るベテラン飼い主である。ふつう長く犬を飼っていれば、それなりに犬の扱いが巧くなるとか、何かの競技会で賞をとるとか、輝かしい功績のひとつやふたつ誇れる立場になってもいいとは思うのだが、十数年経ってもあいかわらず管理人はごくごくふつーのダメ飼い主で、唯一この長い犬飼い生活で学んだことは、グッズに頼るよりトレーニングのほうが問題行動の矯正には効果が高いということだけだ。 むろん、正しく使えば矯正グッズもたしかに即効性はあるのだが、長い目で見た場合、根本的に問題を直すにはやはり日々のトレーニングしかないのだな、とつくづく思っているわけだ。 たとえば、引っぱり癖に悩む飼い主さんの救世主として有名なジェントルリーダーはたしかに力がない人でも大型犬を扱えて楽なのだが、我が家の場合はジェントルリーダーをつけないとき、よけい引っぱりがひどくなった。おまけにジェントルリーダーをつけるたびに犬が尻尾を下げてとぼとぼ歩くので、けっきょく最後は使わなくなった。 その次に登場したのは、引っぱり癖矯正ハーネスとかいうグッズである。犬が前に出ると足の部分が絞まるという造りで、これなら絶対引っぱり癖が治ると妹が勇んで買ってきたものだが、ハーネスで擦れてしっかりハゲができ、おまけに引っぱり癖じたいはまったく治らず、こちらもあっさり墓場送りとなってしまった。 その後、引っぱりの衝撃を和らげるというリードにつけるゴムのエクステンションも買ったのだが(←すでに引っぱられることを前提にしているところにあきらめが感じられる)こちらも大型犬の強烈な引っぱりぶりに数ヶ月でゴムが伸びきって、まったく用をなさなくなった。 そのほかにも、ウサギの毛皮でできたおもちゃとか、いろいろ買って試してみたが(遠い目)…… ところが、すでに老犬の域に入った我が家のオッサン、オバサン犬たちだって、じつは日々進化を遂げている。苦節1年、せっせとおやつをお配りした甲斐あって(ずっとこんな感じでやっているのね)、最近では他に興味深いものがないときに限って(←ここ、重要なポイント)しっかり横について歩くようになった。もちろん、横についたときはアイコンタクトもバッチリだ。 「ほら、ちゃんと見てるわよ、早くおやつよこしなさいよ!!!!」 額に穴が開きそうな勢いで見つめられると、ついついおやつを差しあげてしまう気の弱い飼い主がここにいる。 むろん、彼らが横について歩くのもきちんとタイミングを計った上の戦略だ。20m先のマーキングポイントに到達する前に、何とかここで1コおやつをせしめておきたい。長年の経験から、犬もちゃんと学習しているのである。 犬にむざむざおやつをとられず、何とかマーキングポイントでも引っぱられずに済ませるよう、タイミングを計って褒め言葉を連発して犬との知恵比べに日々精進するふつーの飼い主なのである。 犬グッズの墓場に収納された「使えなかった便利商品」の総額はいったいいくらになるのだろうか? その金を貯めておいたら、牛レバーが毎食分買えたかもね。 それより、お散歩デビューのときからツケのトレーニングをちゃんとしておけばこんなに苦労することもなかったのだ。 世間には、失敗からしか学習できない人間もいる。犬グッズの墓場に収納されたものたちは、それを管理人にまざまざと見せつけてくれるのである。 |
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