|Posted:2006/10/06 15:41|Category :
管理人の独り言|
昨晩はとうとう
アークエンジェルスの公式サイトがぶっ飛んだ。連日テレビのニュースなどで報道され、アクセスが集中したためにサーバーがその負荷に耐えられなくなったためだ。数日前からつながりにくくなっていて、そろそろヤバイかなと思っていたら、やはり予想どおりの事態になった。
それにしても、一保護団体の公式サイトがアクセス負荷でぶっ飛ぶなんて前代未聞のできごとだ。むろん、せっかく見に来てくれた人に現状を伝えるチャンスを逃したのだから、残念な事態ではあるのだが、それでも、これだけ多くの人たちがこのことに関心を持ってくれるというのは喜ぶべきことなのだ。
数日前とちがって、いまや「アークエンジェルス」をキーワードに検索をかけると、一番上に
アークエンジェルスの公式サイトが上がってくる。
Yahooの検索では「
ドッグパーク」で検索をかけると、ちゃんと関連検索ワードとして、
広島 ドッグパーク、ひろしま
ドッグパーク、湯来
ドッグパーク、
広島県
ドッグパークなどがページトップに上がってくる。ちなみに、
広島で検索をかけても、どうように「
広島ドッグパーク」が関連ワードとしてトップに上がってくるというのは画期的なことなのだ。
検索ワードが云々、ページトップに上がってきたから云々と大騒ぎしているのを見て、あの管理人は何を言っているかと思っていらっしゃる方も多いと思うが、広報という意味において、「
広島ドッグパーク」という言葉が検索キーとして上がってくるというのは、非常に重要なことなのだ。人に知ってもらうということは、今回の件を単なる
犬好きの大騒ぎで済ませないためにも、何より必要なことだと管理人は思っている。
なぜ多くの人に知ってもらうことが重要なのか?
それは単なる確率論の問題だ。たとえば100人の人があの写真を見て、何かしたい、自分も力になりたいと思うのと、1000人の人が見るのではインパクトがちがう。知ってくれる人が10倍に増えれば、それだけでじっさい何らかの行動を起こしてくれる人の数が計算上は10倍に増えることになるからだ。
むろん、そういう単純計算は成り立たないし、輪が大きくなっていけばいくほど、べつに
犬なんか好きじゃないし可哀想だとも思わないという人の比率もあがってくる。だがいままで、ああいうことが起こっているのを知らなかった人たちが、知ってくれるだけでも管理人はめっけもんだと思うのだ。
犬猫はペットショップで買うものだと思いこんでいた人たちに、世間には動物保護団体というものが存在し、そこから行き場を失った
犬猫を引き取るというオプションがあるのだと知らしめるだけでも、かなりの前進だと思うのだ。
気のせいかもしれないが、ここ数日
いつでも里親募集中も重くなっている。
犬猫屋敷どうよう、いつでも里親募集中の直リンバナー(サイトの右側に表示されている募集中のコが随時入れ替わる、あれね)をサイトに貼っている人はそこそこいるが、まだまだ一般的だとは言い難い。そこに負荷が来ているということは、数日前に比べるとアクセス数が伸びているということなのだ。
ふつうの人は、多くの
犬猫が捨てられて殺処分になっていることなど知らない。ペットを手に入れるのに、ペットショップ以外の方法があるだなんて夢にも思わない。
管理人自身もそうだった。じっさい犬を飼おうと決めた時点で、まず頭に浮かんだのはペットショップに買いに行くことだった。管理人の周りにも、ペットショップに買いに行く前に、保護犬保護猫を引き取るというオプションがあることを知っていれば、そちらも探してみたはずだという人はたくさんいる。
ペットショップで犬猫を飼うのが悪いのではない。ペットショップから来た犬や猫が悪いといっているのでもない。どこから手に入れようが、そのコを家族の一員として一生可愛がってやれるのなら、それはそれでいいのだ。拾おうが、買おうが、もらおうが、犬猫との出会いの方法が問題なのではないのだ。ただ、それしかないと思いこんで誰しもがペットショップに行くことの方が問題なのだ。飼い主を失って、死刑台への列で待っている犬猫が世の中には掃いて捨てるほどいるにもかかわらず、一方では、ペットショップに定期的に大量の子犬子猫を供給するために、製造機として駆使されているペットミルの繁殖犬や繁殖猫が大勢いることが問題なのだ。
現在のペットブームは、日本に犬猫の供給過剰をもたらした。売れるから、というだけの理由でどんどん人気犬種を作りだす繁殖屋を大勢生みだした(ブリーダーと繁殖屋のちがいはそのうちまた記事にする)。その結果、売れ残りや不要になった動物が、どんどん廃棄される状況が生まれている。だが、その闇の部分を知っている人はごく少数だ。
それをより多くの人に知ってもらうだけでも、いまのこの国では、じゅうぶんすぎる進歩なのだ。
ここ数日、今回の事件絡みのサイトを見ていて、ちょっと気になることがある。
多くの人が、「わたしには何もできないけど、せめてリンクを貼っています」というようなことを書いているのだ。「わたしには何もできない」の何もできないが、大金を寄付することや、大量の物資を寄付すること、
広島の現場に行ってお手伝いすることであれば、たしかに管理人も「何もできない」ひとりだろう。たくさんの寄付をしようにも、そんな余裕はないわけだし、広島はあまりに遠すぎて手伝いに行きたくともおいそれと行ける距離ではないからだ。
だが、ネットを通じて、人との関わり合いを通して、できることは山ほどある。
先日も書いたように、今回のレスキューはまだ始まったばかりだ。生き残った500頭ほどの犬すべてを新しい飼い主のもとに送り届ける日まで、このレスキューは続いていく。
可哀想な動物をとりあえず救うのがレスキューではない。
ともかく生きながらえさせるのがレスキューではない。
保護した犬猫を、きちんとした新しい飼い主に送り届け、そこで幸せな一生を終えるのを見届けるのがレスキューなのだ。
レスキューは一時の可哀想という同情心でできるような甘いものではないはずだ。
だから、今回、あの写真や動画を見て、何かしたいとサイトにリンクを貼った人たちには、あのコたち全員がきちんとした飼い主の元に送り届けられるまで、ちゃんと見守ってやって欲しいと思う。できれば定期的に記事をあげ、人々の関心をつなぎ止める努力をしてやって欲しい。
今後、レスキューの現場は広島から全国に動いていくだろう。多くの犬が
アークエンジェルスの本部がある大阪へと移されていくはずだ。すでに、
アークエンジェルスの大阪本部では事務所のボランティアを募集している。また、協力団体が各地で譲渡会を開催するようになるだろう。480頭という頭数は、一団体が一カ所でさばける数ではとうていないからだ。
広島は遠くて行けない。大阪でもちょっと無理と歯痒く思っている人たちは、地元にそういった活動が移ってくる時を待てばいい。
すでに今週末の三連休には、東海、関東で
Happy Labsという保護団体が、広島から連れてきた比較的状態のいいラブやゴールデンの預かりボラや引き取り手を探すお見合い会(当日その場で犬をもらうことはできないので、念のため)を予定している。
たとえば、そういうイベント会場に立ちよって、犬たちをグリグリしてやるだけでも、じつは立派なボランティアになるのをご存じだろうか? 人がわいわい集まっていれば、人は何をやっているのか、と覗きに来る。ニュースも見てない、ネットにも疎い、広島でそんな事件が起こっているなんて知らなかったという人に、たまたま連休でそばを通りかかっただけの人たちに、こういうことがあったんですよ、と話を広める機会になる。そこでたまたま話を聞いた人たちが、また友人知人にその話を広めてくれれば御の字だ。
レスキューというのは、気の遠くなるような長い時間がかかる地道な活動だ。じっさい預かりボランティアをしたり、犬猫譲渡に関わる人間などほんの一握りにすぎない。だが、誰にでもできる後方支援の方法は、いくらだってあるものなのだ。
派手ではないし、誰にも気づかれず、誰にも感謝されない、そんなレスキューの地味な後方支援の活動を喜んでやる人が増えていけば、少しずつでもきっと世間は変わっていく。
自分には何もできない、と諦めるまえに、できることからやってみませんか?
- 関連記事
-
テーマ : 【緊急」広島ドッグパークレスキュー450頭
ジャンル : ペット