バツイチ
|Posted:2006/11/19 18:42|Category : 管理人の独り言|
成犬譲渡推進活動をやろうと決めたはいいが、はてどうやるか? と考えるとなかなか考えがまとまらない。何せ、いまはまだ絶対的にパピー人気が高いのだ。そりゃ、パピーの可愛さは代え難いものがあるし、パピーと成犬を並べたら、そりゃ誰だって、いやぁ~かわいいぃ~パピーが欲しい♪ってなるのはとうぜんっちゃあとうぜんなわけだ。
生き物は子どものときが一番かわいい。かわいいと思ってもらって育ててもらわんことには生き延びられないのだから、かわいくできているのは自然の摂理なのだ。
だからさ、可愛さで売り込んだら成犬もらってくれる人が増えるわけはないわけで、いわば、お肌ピチピチのナイスバディーの二十歳のお姉ちゃんの横に管理人が並んで「わたしをもらってください」って言うようなもんでさ、最初っから勝負にもならんわけだ。
で、こう、かわいさで負けるなら、その分他の部分で売り込まねばならぬわけで、そこでアイデア勝負の管理人としてはいろいろ考えてみたわけだが……
日本の犬飼いさんの特徴として、自分の犬の父ちゃん、母ちゃんになっている人、すごく多いと思いません? ハンドルネームでもポチ母とかシロパパとか名乗ってる人ものすごく多いわけだ。これってつまり、犬は家族=世話して育てるもの=子どもっていう図式の上に成り立つ現象なわけで、それだけ見ても、犬はパピーから育てるのがとうぜんっていう日本特有の常識が見え隠れするような気がする。
ちなみに、ネットデビューを果たしたとき、管理人もHNを何にするか考えた。一番安直で判りやすいのは姫母とか姫ママと名乗ることだったわけだが、どうも姫の顔を見ていると母って感じはしなかったのだ。だってさ、姫はうちに来た時点で思いっきりオバサンだったし。管理人は飼い主ではあるけど、母じゃねぇ~よなってそんな感じがしたのだ。
この辺は、パピーの頃から育てているツチノコ兄弟に対してとはちょっとちがった感情かもしれない。ディーもカイも姫も管理人にとっては等しくかわいい我が愛犬だが、ディーやカイにとって管理人がいわば母代わりであるのに対して、姫にとっての管理人は母とはちょっと異なる存在のような気がする。
出会ったときにすでにおとなどうしだったわけだから、いわば大人の関係ってやつか?
パピーの頃から犬を育てるのは、子どもを育てるのと同じ感覚なのだと思う。餌を与え、元気なよい子に育つようしつけをして、その成長に目を細めるのはパピーから飼う楽しみだ。それとちがって姫のような成犬をもらうのは、大人になってから出会って一緒に暮らしはじめる結婚と同じ感覚なのかもしれない。それぞれにちがう背景を持った大人同士が、試行錯誤を繰りかえしながらひとつの家族になっていく。そういうおもしろさが成犬をもらう楽しさのひとつのような気がするのだ。
管理人には経験がないが、友人たちの話を総合すると、譲歩なくしては結婚生活は成り立たないらしい。一緒に暮らしはじめてみて初めてわかる「なんだ、こりゃ!?」という驚愕の事実に恐れおののき、やがてそれに慣れて、すべてがふつうのことになっていく。それが結婚生活というものらしいのだ。どちらかが一方的に相手に合わせるのではいずれ巧くいかなくなる。お互いが我慢と譲歩を繰りかえして、折衷案を見つけていくことで、やがて他人が家族になる。
成犬を引き取るのはそれと似たところがあるように思う。パピーとはちがって、すでに他の家族の一員として何年か暮らしてきたコたちは、知らず知らずのうちに前の家の流儀が染みついている。じっさい、姫が我が家に来てすぐの頃は「何やっとんじゃ、こいつは?!」と思うことが一度や二度ではなかった。そのたびに、うちではこうしなくてはいけないんだよ、こういう風にやるのが望ましいのだよ、と教えていくのが、成犬のしつけの主なものだ。
姫はその点あまり成績のよい生徒ではなかったが、前にペットとして飼われていた成犬の多くは排泄はトイレシートでしなくてはいけないとか散歩はリードをつけてするものだとか、ご飯の前にはオスワリをして待つとか、そういうことを当たり前のように知っている。それだけでもじっさいパピーから飼うよりはそうとう楽なことなのだ。むろん、成犬で新しい飼い主を待っているコのなかには、姫のように問題行動山積みで前の飼い主の手に負えなかったというコもいるだろう。だが、それでもぜんぶ一から始めなくてはならないパピーに比べれば、焦点をしぼってトレーニングできる分かなり楽だ。
トイレの失敗、盗み食いなどの悪戯、無駄吠え、散歩の引っぱり癖という問題行動のフルコースを抱えて我が家にやってきた姫を更正させたこの管理人がそういうのだからこれは信じてもらってもいいだろう。ついでに言えば、ツチノコ兄弟はやんちゃではあったが、それでもパピーとしては手がかからないほうだった。にもかかわらず、やっぱり管理人はパピーより成犬のほうがしつけは楽だと思うのだよ。
すでに大人になって我が家に来た姫に対して、管理人はしつけの方法を見直さざるを得なかった。ツチノコ兄弟に対して行った絶対君主制のトレーニング方法は、姫にはあまり効果がなかったからだ。中年のオバサンにライフスタイルを変えさせるより、10歳の犬をしつけ直すほうがよっぽど楽なのは言うまでもないか、犬も成犬になれば、彼らなりの考え方や方法論みたいなものを持っている。だから、闇雲にこれはやるな、これはダメと押しつけるだけではあまり進歩は望めない。だが、ツボにはまるぴったりのトレーニング方法を見つけられれば、成犬だってパピーとどうように砂が水を吸い込むようにどんどん新しいことを覚えていく。
姫の場合は「褒める」ということがキーだった。どうやら前の飼い主は「No No」を繰りかえして姫をしつけていたようで、姫は「No」と言われることにすっかり耐性ができてしまっていたのだ。「No」って言われたってやっちまえばこっちのもん、みたいな変な自信を持っていた。だから、管理人が用いたのは、悪いことをしたら完全無視、逆に悪いことをしていないときは褒めまくりという非常にクラシックな方法だ。これはみごとにツボにはまった。
「No」と言われ続け、最後は捨てられる、これが姫にとってのトラウマだった。逆に「Good Girl」と言われ続けているかぎり、結果的にこの家にずっといられるのだと気づいたとたん、姫はどうしたら褒めてもらえるか、一生懸命考えるようになった。結果、よい行いを自らやるようになって、自然と問題行動は減っていった。
管理人の周りにはバツイチの人がたくさんいる。バツイチと結婚した友人も多いのだが、全員が口を揃えてこう言うのだ。
「バツイチいいよ。だって、一度失敗している分、これはやっちゃいけないってこと、ちゃんと知ってるからさ」
レスキューされた成犬をもらうのって、バツイチの人と結婚するのと同じかもしれないね。
成犬は、人間と一緒に暮らしていくための最低限のルールをちゃんと心得て我が家にやってくる。あとは、お互いに仲良くやっていくための決まり事を一緒に決めていけばいい。一緒に暮らすことにだんだんとお互い慣れていけばいい。何ヶ月か経ったとき、ふと気づくと自然と家族になっている。
そういえば、パピーの頃から飼っているツチノコ兄弟と比べると、たわいもないことで大喜びする、姫にはそんな部分もたくさんある。小さなことに感謝する、そんな部分を持っているな、と姫を見ていると思うのだ。
昔は初婚にこだわった人たちも、いまはバツイチ大歓迎の時代だし、そろそろ犬の世界でもバツイチいいよぉ~って、そんな時代になってもいいんじゃないかな、と管理人は思うのだよ。
生き物は子どものときが一番かわいい。かわいいと思ってもらって育ててもらわんことには生き延びられないのだから、かわいくできているのは自然の摂理なのだ。
だからさ、可愛さで売り込んだら成犬もらってくれる人が増えるわけはないわけで、いわば、お肌ピチピチのナイスバディーの二十歳のお姉ちゃんの横に管理人が並んで「わたしをもらってください」って言うようなもんでさ、最初っから勝負にもならんわけだ。
で、こう、かわいさで負けるなら、その分他の部分で売り込まねばならぬわけで、そこでアイデア勝負の管理人としてはいろいろ考えてみたわけだが……
日本の犬飼いさんの特徴として、自分の犬の父ちゃん、母ちゃんになっている人、すごく多いと思いません? ハンドルネームでもポチ母とかシロパパとか名乗ってる人ものすごく多いわけだ。これってつまり、犬は家族=世話して育てるもの=子どもっていう図式の上に成り立つ現象なわけで、それだけ見ても、犬はパピーから育てるのがとうぜんっていう日本特有の常識が見え隠れするような気がする。
ちなみに、ネットデビューを果たしたとき、管理人もHNを何にするか考えた。一番安直で判りやすいのは姫母とか姫ママと名乗ることだったわけだが、どうも姫の顔を見ていると母って感じはしなかったのだ。だってさ、姫はうちに来た時点で思いっきりオバサンだったし。管理人は飼い主ではあるけど、母じゃねぇ~よなってそんな感じがしたのだ。
この辺は、パピーの頃から育てているツチノコ兄弟に対してとはちょっとちがった感情かもしれない。ディーもカイも姫も管理人にとっては等しくかわいい我が愛犬だが、ディーやカイにとって管理人がいわば母代わりであるのに対して、姫にとっての管理人は母とはちょっと異なる存在のような気がする。
出会ったときにすでにおとなどうしだったわけだから、いわば大人の関係ってやつか?
パピーの頃から犬を育てるのは、子どもを育てるのと同じ感覚なのだと思う。餌を与え、元気なよい子に育つようしつけをして、その成長に目を細めるのはパピーから飼う楽しみだ。それとちがって姫のような成犬をもらうのは、大人になってから出会って一緒に暮らしはじめる結婚と同じ感覚なのかもしれない。それぞれにちがう背景を持った大人同士が、試行錯誤を繰りかえしながらひとつの家族になっていく。そういうおもしろさが成犬をもらう楽しさのひとつのような気がするのだ。
管理人には経験がないが、友人たちの話を総合すると、譲歩なくしては結婚生活は成り立たないらしい。一緒に暮らしはじめてみて初めてわかる「なんだ、こりゃ!?」という驚愕の事実に恐れおののき、やがてそれに慣れて、すべてがふつうのことになっていく。それが結婚生活というものらしいのだ。どちらかが一方的に相手に合わせるのではいずれ巧くいかなくなる。お互いが我慢と譲歩を繰りかえして、折衷案を見つけていくことで、やがて他人が家族になる。
成犬を引き取るのはそれと似たところがあるように思う。パピーとはちがって、すでに他の家族の一員として何年か暮らしてきたコたちは、知らず知らずのうちに前の家の流儀が染みついている。じっさい、姫が我が家に来てすぐの頃は「何やっとんじゃ、こいつは?!」と思うことが一度や二度ではなかった。そのたびに、うちではこうしなくてはいけないんだよ、こういう風にやるのが望ましいのだよ、と教えていくのが、成犬のしつけの主なものだ。
姫はその点あまり成績のよい生徒ではなかったが、前にペットとして飼われていた成犬の多くは排泄はトイレシートでしなくてはいけないとか散歩はリードをつけてするものだとか、ご飯の前にはオスワリをして待つとか、そういうことを当たり前のように知っている。それだけでもじっさいパピーから飼うよりはそうとう楽なことなのだ。むろん、成犬で新しい飼い主を待っているコのなかには、姫のように問題行動山積みで前の飼い主の手に負えなかったというコもいるだろう。だが、それでもぜんぶ一から始めなくてはならないパピーに比べれば、焦点をしぼってトレーニングできる分かなり楽だ。
トイレの失敗、盗み食いなどの悪戯、無駄吠え、散歩の引っぱり癖という問題行動のフルコースを抱えて我が家にやってきた姫を更正させたこの管理人がそういうのだからこれは信じてもらってもいいだろう。ついでに言えば、ツチノコ兄弟はやんちゃではあったが、それでもパピーとしては手がかからないほうだった。にもかかわらず、やっぱり管理人はパピーより成犬のほうがしつけは楽だと思うのだよ。
すでに大人になって我が家に来た姫に対して、管理人はしつけの方法を見直さざるを得なかった。ツチノコ兄弟に対して行った絶対君主制のトレーニング方法は、姫にはあまり効果がなかったからだ。中年のオバサンにライフスタイルを変えさせるより、10歳の犬をしつけ直すほうがよっぽど楽なのは言うまでもないか、犬も成犬になれば、彼らなりの考え方や方法論みたいなものを持っている。だから、闇雲にこれはやるな、これはダメと押しつけるだけではあまり進歩は望めない。だが、ツボにはまるぴったりのトレーニング方法を見つけられれば、成犬だってパピーとどうように砂が水を吸い込むようにどんどん新しいことを覚えていく。
姫の場合は「褒める」ということがキーだった。どうやら前の飼い主は「No No」を繰りかえして姫をしつけていたようで、姫は「No」と言われることにすっかり耐性ができてしまっていたのだ。「No」って言われたってやっちまえばこっちのもん、みたいな変な自信を持っていた。だから、管理人が用いたのは、悪いことをしたら完全無視、逆に悪いことをしていないときは褒めまくりという非常にクラシックな方法だ。これはみごとにツボにはまった。
「No」と言われ続け、最後は捨てられる、これが姫にとってのトラウマだった。逆に「Good Girl」と言われ続けているかぎり、結果的にこの家にずっといられるのだと気づいたとたん、姫はどうしたら褒めてもらえるか、一生懸命考えるようになった。結果、よい行いを自らやるようになって、自然と問題行動は減っていった。
管理人の周りにはバツイチの人がたくさんいる。バツイチと結婚した友人も多いのだが、全員が口を揃えてこう言うのだ。
「バツイチいいよ。だって、一度失敗している分、これはやっちゃいけないってこと、ちゃんと知ってるからさ」
レスキューされた成犬をもらうのって、バツイチの人と結婚するのと同じかもしれないね。
成犬は、人間と一緒に暮らしていくための最低限のルールをちゃんと心得て我が家にやってくる。あとは、お互いに仲良くやっていくための決まり事を一緒に決めていけばいい。一緒に暮らすことにだんだんとお互い慣れていけばいい。何ヶ月か経ったとき、ふと気づくと自然と家族になっている。
そういえば、パピーの頃から飼っているツチノコ兄弟と比べると、たわいもないことで大喜びする、姫にはそんな部分もたくさんある。小さなことに感謝する、そんな部分を持っているな、と姫を見ていると思うのだ。
昔は初婚にこだわった人たちも、いまはバツイチ大歓迎の時代だし、そろそろ犬の世界でもバツイチいいよぉ~って、そんな時代になってもいいんじゃないかな、と管理人は思うのだよ。